2020/10/04 試合結果

2020年10月3日 STARDOM YOKOHAMA CINDERELLA 2020

『STARDOM YOKOHAMA CINDERELLA 2020』
10月3日(土)横浜武道館(観衆1007人=満員/コロナ対策限定人数)

試合結果

◆ハイスピード選手権試合 30分1本勝負

<王者>

11分27秒
変形腕固め

<挑戦者>

AZM

スターライト・キッド

※第19代王者のAZMが初防衛に成功

◆シングルマッチ 15分1本勝負

白川未奈

5分7秒
インプラントDDT→片エビ固め

羽南

◆スペシャル・タッグマッチ 15分1本勝負

里歩

8分39秒
ノーザンライト・スープレックス・ホールド

まなせゆうな

○飯田沙耶

夏すみれ●

◆DDM新メンバー登場 シングルマッチ 15分1本勝負

なつぽい

4分52秒
ジャーマン・スープレックス・ホールド

DEATH山さん。

 

◆SWA世界選手権 王座決定戦 30分1本勝負

ビー・プレストリー

12分53秒
クイーンズ・ランディング

渡辺桃

※ビー・プレストリーが第6代王者となる

◆TCSvs大江戸隊 敗者ユニット解散ノーDQマッチ 30分1本勝負

刀羅ナツコ

13分7秒
起死回生

ジャングル叫女●

○鹿島沙希

小波

◆ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合 30分勝負

<王者組>

22分33秒
フェニックス・スプラッシュ→エビ固め

<挑戦者組>

林下詩美

舞華●

○上谷沙弥

ひめか

※第18代王者組の林下詩美&上谷沙弥が初防衛に成功

◆ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 時間無制限1本勝負

<王者>

17分25秒
グロリアス・ドライバー→エビ固め

<挑戦者>

ジュリア

中野たむ

※第14代王者のジュリアが初防衛に成功

◆ワールド・オブ・スターダム選手権試合 時間無制限1本勝負

<王者>

28分58秒
ドラゴンスープレックス・ホールド

<挑戦者>

岩谷麻優

朱里

※第12代王者の岩谷麻優が4度目の防衛に成功

 

試合詳細レポート

◆ハイスピード選手権試合 30分1本勝負

<王者>

11分27秒
変形腕固め

<挑戦者>

AZM

スターライト・キッド

※第19代王者のAZMが初防衛に成功

8・2223の2連戦が新型コロナウイルスの影響で中止となるも、横浜武道館におけるプロレスこけら落とし興行は当初の予定通りスターダムに。記念すべき第1試合を任されたのは、7・26後楽園で悲願のハイスピード王座を初奪取したAZMの初防衛戦。相手はライバルのスターライト・キッドである。キッドとは7・26後楽園における3WAYでのタイトルマッチで相まみえ、AZMがキッドから勝利を奪ってベルトを巻いた。王者・里歩は負けずしてタイトルを失ってしまったことになるが、ここは約2年ぶりのシングルとなるAZMとキッドの決着戦。AZMは初のシングル王座初防衛を狙い、キッドは初代フューチャー・オブ・スターダム王座以来の王座奪取をもくろむ。ハイスピードな攻防の末に待っている光景とは?

 キッドが握手を求めるとAZMが歩み寄って応じてみせる。ゴングと同時にキッドが突進、AZMがかわすがキッドがアームホイップ。AZMもやり返しドロップキックを打ち合う。AZMが手を差し出しキッドが応じようとするとロープワークに移行。AZMはキッドをコーナーに追い込んで顔面を踏みつける。AZMがコーナーに振ると串刺しドロップキックをお見舞い。キッドは1カウントで返すがAZMがボディースラムからフットスタンプを腕に落とす。キッドが返すと、AZMは「どうした、そんなもんか」と挑発。キッドが向かっていくがAZMが仁王立ちでエルボー。吹っ飛ばされたキッドがロープに振られるとエプロンに出てDDT。キッドは場外のAZMにプランチャを敢行する。キッドがAZMをリングに戻して619を放つとその場飛びムーンサルトプレス。キッドに振られたAZMが反転してミサイルキック、ブレーンバスター。キッドが返すとAZMは腕固めも逃れられる。AZMはフィニッシュを予告しダイビングフットスタンプ。かわしたキッドが蹴り足をキャッチしモルタルからドロップキック。キッドが突進しバッククラッカー。コーナーに上がるとAZMが追いつき雪崩式の構え。キッドがこらえてエルボー連打から蹴落とす。旋回式ダイビングボディープレスを返したAZMがハイキック、ダイビングフットスタンプ。キッドが返してエルボーが交錯、AZMがハイキック、キッドがDDT。両者ダウン。2人が8カウントで立ち上がるとエルボーの打ち合い。キッドが張り手から突進するがAZMがハイキック、雪崩式狙い。キッドがしのぐがAZMがダイビングフットスタンプ投下。キッドが返すと、AZMがミスティカ式腕固め。しかしキッドの足がロープに届く。AZMはキッドに三角蹴り。阻止したキッドがフィッシャーマン。AZMが返すとキッドはキッチャンボム。かわされたキッドが619からキッチャンボムを決める。しかしAZMがクリアーに成功。キッドはコーナーに上がりムーンサルトプレス。AZMがかわして丸め込む。キッドが切り返し押さえ込み。丸め込みの応酬からAZMがあずみ寿司もキッドがクリアー。キッドが延髄斬りからトップに上がりムーンサルト狙い。AZMが追いつき腕を蹴り上げるとコーナー上で腕を取って落下。そこから締め上げるがキッドの足がロープへ。10分経過。AZMがフィニッシュを宣言しダイビングフットスタンプ。腕を取って雪崩式から腕を締め上げる。足も取って締め上げるとついにキッドがギブアップ。AZMが初防衛に成功した。

 

AZMのコメント

「横浜、スターダムビッグマッチ、私がちゃんと防衛しました。当たり前とまではいかないんですけど、キッドにすごく追い詰められて。チャンピオン、負けるかもとは思わないので、負けるとは思わなかったですけど、私のライバルとして、すごく楽しかったですね。まあ、私はキッドにかかわらず、前の後楽園でも言いました、星月芽依選手ともやりたいんですよ。だから、スターダムに限らず、他団体にこのベルトをどんどんもっていくつもりなので、目を離さないでください」

――こけら落としのオープニングマッチは?「正直、めちゃくちゃ緊張しましたね。ビッグマッチでしかもYouTubeに自分たちの試合だけ生配信されるということで。初めてのお客さんがやっぱり多かったと思うので、私たちの試合を見てぜひスターダムに来たい、見たいと思っていただけたら、それだけで私はうれしいですね」

◆シングルマッチ 15分1本勝負

白川未奈

5分7秒
インプラントDDT→片エビ固め

羽南

9・5新木場で13ヵ月ぶりの復帰を果たした羽南が三姉妹を代表し(?)、横浜武道館のこけら落とし興行に登場。相手は当日発表のZとあってプレッシャーは大きいかもしれないが、Zの正体が他団体からの選手であるとすれば、羽南がスターダムの門番を託されたとも考えられる。果たして、Zとしてリングに上がる選手とは…。

 羽南はいつものように手芸部で作ったマスクをファンにプレゼント。つづいて登場のZ、その正体は東京女子プロレスとの契約を終えたばかりの白川未奈だった。ゴングが鳴ると、まずはロックアップで力比べ。羽南が腕をとり締め上げていくと白川が取り返してバックを取る。白川はレッグロックにいくが羽南が切り返してヘッドロック。白川がロープに振ってリープフロッグからアームホイップ。白川がアピールすると羽南がロープに逃れる。白川が突進すると羽南がドロップキックを連打。白川が返すと羽南は腕十字へ。白川がエスケープすると羽南は腕へのフットスタンプ。白川がエルボーを打つと「どうした、おら!」と羽南がやり返す。白川はフライングクロスチョップを連打し吊り天井にもっていく。白川の突進を羽南が投げつけ柔道殺法の連続からダブルリストアームサルト。白川が返すと羽南が突進も白川が空中胴締め落とし。白川が突進すると羽南が丸め込む。羽南のダッシュに白川がエルボー。羽南が返すと、白川はダイビングボディーアタックからインプラントDDT。羽南が返せず白川が勝利を飾った。

 

白川のコメント

――ゼットということで、正体が明らかになったが?

「ゼットじゃなくてゼータです。ガンダムが好きで、私はあれをゼータと呼んでます。スターダムにゼータです。本当に、お客さんがどうやって思うのだろうと、私のことを知ってるのか知らないのかわからなかったですけど、私は東京女子プロレスレギュラー参戦やめて、東京女子プロレスもすごくいい環境だったんですけど、そこからわざわざ外に出てまたスターダムでイチからやるというのは、キチンとかなりの覚悟で来てますので。グラドルレスラーとしてゆずポンさんというのがすごく目標だったんですね。そのゆずポンさんがいたリングにこないと、目標には近づけないかなという思いがあったので、今回決心してスターダムに上がりました」

――実際のスターダムの感触は?

「羽南選手は恐らくまだ若手の選手だと思うんですけど、すごく力強くて、正直闘ってみてビックリしたというところです。関節とかも瞬時に狙ってきたり。あとはお客さんが全然、私の手拍子だ頑張れチャンスとかも応えてくれないかなという不安があったんですけど、自分が想像していた以上にお客さんが温かくて、そうやって温かく迎えてもらった以上、キチンとここで結果を残していきたいなと今日あらためて思いました」

◆スペシャル・タッグマッチ 15分1本勝負

里歩

8分39秒
ノーザンライト・スープレックス・ホールド

まなせゆうな

○飯田沙耶

夏すみれ●

里歩&飯田沙耶組vsまなせゆうな&夏すみれ組のタッグマッチ。まなせゆうなは、元々スターダムの出身(5期生)で、現在はガンバレ☆プロレス所属。当初は8・22横浜武道館での6人タッグマッチに参戦が決定、発表会見でも姿を見せスターダムへの愛着を示していたのだが、大会中止により幻と消えた。が、横浜武道館大会があらためておこなわれることとなり、カードこそ変更されたものの、晴れて古巣への帰還が決定。大江戸隊・夏すみれとの連係は? まなせにスターダム参戦のネクストはあるのか? この試合から見えてくる!?

 まなせが里歩、飯田と握手をかわす。里歩と飯田がまなせに襲いかかる形で試合開始。まなせはコーナーに振られることを拒否してまとめてラリアット。飯田には豪華にボディースラム。替わった夏が飯田をムチで殴打する。夏は飯田をコーナーに叩きつけ顔面に押しつけていく、するとまなせも加勢する。まなせは里歩をコーナーに追い込み胸を押し当てていく。反対側では夏が飯田にブロンコバスター。夏は飯田を自軍コーナーに叩きつけ、まなせに託す。まなせは飯田をカバーも2カウント。飯田はブレーンバスターを狙うがまなせがこらえてボディースラム。まなせは飯田をコーナーに追い込みラリアットからビッグブーツ。飯田が返すと、まなせはボディースラム狙い。切り返した飯田が反対にまなせをボディースラム。里歩がまなせにコルバタ、619、ダイビングボディーアタック。まなせがキャッチしマットに叩きつける。まなせはヒップドロップを落とすが里歩がクリアー。まなせが狙い澄まして突進するが里歩が飛びついて阻止。飯田がまなせにドロップキック、逆水平の連打。まなせが打撃でやり返すと飯田がカウンターのチョップを食らわす。まなせと飯田が突進し、まなせが打ち倒す。夏が飯田へビッグブーツ、フィッシャーマン。里歩が加わり飯田とドロップキックの競演。飯田が夏へミサイルキック。しかし、まなせのカットが間に合う。飯田は夏にノーザンライトの構え。夏が切り返し妖乱。夏はシャイニングウィザードから妖乱へ。しかし里歩のカットが間に合う。里歩がまなせのショルダータックルで吹っ飛ばされる。夏がムチを取り出すが飯田がドロップキック。ムチが客席まで飛んでいく。まなせのビッグブーツが夏に誤爆。飯田は夏にノーザンライト。3カウントが入り、飯田が夏からフォール勝ちを奪った。

 

里歩&飯田のコメント

飯田「ようやく、勝利しました。でもこれは里歩さんのアシストがあったからこそ取れた1勝です。このノーザンライト・スープレックスを大事に使って、これからもっと闘うたくさんの選手から勝利を取っていきたいと思います」

里歩「自分たちの試合は『まなせさんおかえり』という試合だと自分たちでも思ってたんですけど、飯田さんが勝ってくれたことによって意味が生まれて、またこれからも頑張っていきましょう」

飯田「ありがとうございます」

里歩「ありがとうございました」

 

まなせのコメント

「夏さんは? 私のパートナー夏さんだったんだけど、リングでもあんま言えなかったんだけど、最後にまなせって呼んでくれてちょっとうれしかったから突っ込んでいったら夏さん飛んでいっちゃった。でも私の思いがあふれちゃったんだと思います。ああ、でも勝ちたかったな! 勝ったらまた続きあったのかなと思うと悔しいですね。私が一緒に負けちゃったから。でも、私はこれで終わりじゃないと思ってるから、またスターダムが大好きな皆さんに会えるように、これからもプロレス頑張るので、これからもよろしくお願いしますね。あともういっこ言っていいですか? スターダムのときの先輩で彩羽匠さんっているんですけど、6日に後楽園で試合するんですよ。これはスターダムがあったからできる絆なんですね。だからその仕組みを、きょう悔しかった分、すべて匠さんにあてていくので、皆さんスターダムだけじゃなくてガンプロも見に来てくださいね。よろしくお願いします。ありがとうございました。楽しかった、スターダム!(久々のスターダムはどんな感触だった?)初めての人と闘うから、もっと新鮮味なのかなと思ったけど、やっぱりリングのスターダムのマットを見たときに、ロゴは変わっちゃったけど、すごくこみ上げるものがあって。上がるまで正直、新しいところにいく不安が大きかったんですけど、ゆず季さんもいらっしゃって笑いかけてくれて。帰ってきた、と思いました。だから、私はこの続きがきっとあると思います。この気持ちのまま終わることはないと思うので、この続きはリングで表現できるように頑張ります」

◆DDM新メンバー登場 シングルマッチ 15分1本勝負

なつぽい

4分52秒
ジャーマン・スープレックス・ホールド

DEATH山さん。

かねてからジュリアがアナウンスしていたドンナ・デル・モンドの新メンバーがこの試合で登場。新メンバーということは、今後もDDMの一員としてレギュラー参戦することになるのだろう。初戦の相手はTCSのDEATH山さん。DDM第5のメンバーがクセモノ相手にどんな闘いを見せるのか、注目である。

 デスヤマにつづいて現われたのは、東京女子を主戦場としていた元アクトレスガールズの万喜なつみ。スターダムには久しぶりの参戦となる。DDMに囲まれる形でゲートに姿を見せるとひめかに肩車されて花道を進んでいく。万喜なつみは「なつぽい」とコールされる。ゴングが鳴るとデスヤマがいつものように四方へポーズを見せる。するとなつぽいが襲いかかりロープワークからヘアーホイップの連続。コーナーに追い込むとデスヤマを踏みつけていく。デスヤマはなつぽいの鼻をつまんで攻撃。デスヤマがコーナーに追い込み突進のたびになつぽいが足を出しドロップキック。デスヤマがクロスチョップからセントーン。デスヤマがブレーンバスターを狙うがなつぽいが飛びついて空中卍固めから丸め込む。なつぽいはドロップキック連打、ダイビングボディーアタック。デスヤマが返すとネックスクリュー狙いを切り返し逆さ押さえ込み。なつぽいがネックブリーカードロップからジャックナイフも反転される。なつぽいが蹴りを食らわしジャーマンへ。これで3カウントが入りなつぽいがDDM初陣を飾った。

なつぽい「みなさん、はじめまして。またはお久しぶりです。ドンナ・デル・モンド新メンバーのなつぽいこと……なつぽいです。私はスターダムのこのユニットで新たなプロレス人生を歩むことを決めました。目指すは、ハイスピードチャンピオン。(会場の隅で見ていたAZMを指さして)。以後、お見知りおきを。またな!」

 

なつぽいのコメント

――DDM新メンバーとして登場。

「いやあ、かなり、ヒント出し過ぎでしょ。まあ、わかっててもわかってなくても、なつぽいワールド全開にできる自身があったので、これからもDDM、いや、スターダムを盛り上げていきたいと思っています」

――リングネームの表記は?

「ひらがなです! ひらがなです」

――なぜ、ひらがな?

「生まれながら、ひらがなだからです」

――狙いはハイスピードのベルト?

「ハイ。ハイスピード、今日も第1試合からメチャメチャ熱いのを見せられてテンション上がりました。絶対ハイスピード取ります。ハイスピードから攻めていきます」

――コスチュームを新しくしてリングに上がった気分は?

「サイコーですね。いやあ、久々だけど久々じゃない気もするし、でもなんか新しい場所に来たような気もして、ゾクゾクしました。これからが楽しみです」

――ジュリアからどのように勧誘された?

「それは、それぞれのご想像にお任せします」

◆SWA世界選手権 王座決定戦 30分1本勝負

ビー・プレストリー

12分53秒
クイーンズ・ランディング

渡辺桃

※ビー・プレストリーが第6代王者となる

林下詩美を破り第5代王者となったジェイミー・ヘイターだが、新型コロナウイルスの影響により来日が不可能。防衛戦をすることなく王座返上となってしまった。空位となったベルトを争うのは渡辺桃とビー・プレストリー。両者は元々クイーンズクエストの同士だったがプレストリーが桃を裏切り大江戸隊へと走った。ここで両者に遺恨が発生。社会情勢によりプレストリーも参戦機会を失っていたが、9・19後楽園に突如乱入すると、桃に対して「ショッパイ」と言ってのけた。ここから今回の一騎打ちが決定し、さらにSWA世界王座のベルトも懸けられることに。タイトルマッチではあるが、まずは遺恨清算が前提となりそうだ。

 ゴングと同時にプレストリーが突っかかり桃とのエルボーの応酬。桃がドロップキックにいくがプレストリーがかわす。桃はプレストリーを場外に落としてサッカーボールキック。リングに戻すとエプロンでBドライバーの構え。こらえられた桃はミドルキック連打に切り替える。プレストリーがかわすと桃の足が鉄柱に直撃。プレストリーが場外で桃の右脚を攻撃、客席に叩きつける振りをしてリングに額を叩きつける。リングに戻ると桃の足をサードロープにかけて締め上げる。プレストリーは桃をコーナーに叩きつけると右ヒザをロープにかけて締め上げる。さらに宙吊りのような形でも締め上げていく。ヒザをマットに叩きつけカバーするが桃が返す。プレストリーは桃の右脚をさらに攻撃。グラウンドで桃がスリーパーもすぐに脱出されてしまう。プレストリーは桃を踏みつけて勝ち誇る。桃を引き起こすとコーナーに振って突進。桃がかわして串刺しドロップキック連打。桃は背後からミサイルキックをぶち込みミドルキックで吹っ飛ばす。さらにコーナーに追い込んでもミドルの連打。プレストリーが返すと桃はドラゴンスリーパ-。立ち上がるとプレストリーが切り返してヒザ十字固め。桃が逃れるがプレストリーがスイングネックブリーカー。返した桃がコーナー上のプレストリーにエルボー連打。プレストリーがダイブすると桃が受け止めて裏投げ。両者ダウン状態。桃がハイキックを左右からヒットさせる。桃はプレストリーをコーナーに乗せて水車落としの構え。プレストリーが切り返しパワーボム狙い。こらえられるとバックドロップ狙いも落とされる。桃がセカンドからの蒼魔刀。プレストリーが返すと桃はBドライバーも2カウント。桃はフィニッシュを宣言しBドライバーをコーナーから決めようとする。プレストリーが切り返し肩車。桃が丸め込みカミゴエからカバー。プレストリーが返すとチキンウイング。プレストリーが立ち上がるが桃が後方に投げ捨て正面から蒼魔刀。プレストリーが返すと桃は狙い澄ましてハイキック。プレストリーがキャッチするが桃が丸め込む。ニーをかわした桃がテキーラの構え。プレストリーがバックドロップホールドを切り返されドラゴンスクリュー、ニーアタック。プレストリーはプランビーも桃がクリアー。プレストリーはニーパットをずらして突進。食らった桃を肩車しクイーンズランディング。これで3カウントが入りプレストリーが新王者となった。

プレストリー「一言、言っておきたいことがあるの。モモ、モモ、ショッパーイ」

◆TCSvs大江戸隊 敗者ユニット解散ノーDQマッチ 30分1本勝負

刀羅ナツコ

13分7秒
起死回生

ジャングル叫女●

○鹿島沙希

小波

9・28後楽園ではキャプテンフォール6人タッグマッチで激突したトーキョーサイバースクワッドと大江戸隊。かねてから大江戸隊のナツコはTCSが負けたらユニット解散を要求しているのだが、後楽園で解散について明記されることもなく、試合はナツコが暴走の末に反則負け。フラストレーションのたまる結果となった。解散を突きつけられているTCSでは叫女も「負けた方が解散」をアピールしており、ここにようやくノールールによる「敗者ユニット解散マッチ」が決定。負けた方のチームが解散することになった。この試合で、いずれかのユニットがスターダムから消えることとなる。

 あとから入場の叫女がコールされると大江戸隊が襲撃。ナツコが叫女に打撃の連打。リング上にはイスの山が設置されている。ナツコと鹿島がイスの山に叫女を叩きつける。鹿島が叫女を振りナツコがイスで殴打。イスの上に鹿島がフェースクラッシャー。叫女が返すと鹿島がイスで叫女を攻撃。小波がカットしようとするもナツコが妨害。ナツコは2人まとめてイスごとセントーン。鹿島は叫女をコーナーに叩きつける。ナツコは叫女にヘアーホイップから顔面ウォッシュ。鹿島がイスを用意しナツコとブレーンバスターの構え。叫女がこらえて2人まとめて投げつける。叫女は小波とタッチ。小波が鹿島にインディアンデスロック。ナツコが乱入するが小波が排除。鹿島が小波にビッグブーツ、ブレーンバスターホールド。小波が返すと鹿島の足をキャッチ。逃れた鹿島がコルバタからビッグブーツ。ナツコは小波に串刺しアタック、キャノンボール、バックフリップ。小波が返すとナツコはチェーンを持ち出す。小波がハイキックから投げっぱなしジャーマン。ナツコが返すと小波は叫女に託す。叫女がナツコにショルダータックル連打。ナツコがこらえるも叫女が打ち勝つ。叫女はナツコをコーナーに振り串刺しアタック。ナツコがかわし乱入のTCSが次々と串刺し攻撃。叫女がダイビングボディープレスもナツコが返す。叫女はナツコを持ち上げようとするがこらえられる。叫女が狙い澄ましてラリアットも反対にナツコから食らってしまう。ナツコがチェーンを持ち出し首に巻き付ける。小波が割って入りカットに成功しナツコにミドルキック。ナツコは小波にカウンターのラリアットで排除する。ナツコは叫女に昇天。叫女が返すと10分経過。プレストリーと鹿島がテーブルを設置。ナツコが叫女を寝かせコーナーへ。TCSが阻止して叫女がラリアット。コーナー上のナツコを持ち上げ小波がミサイルキック投下の連係。しかしナツコが返してみせる。叫女はテーブルにナツコを寝かせてパイルドライバーを決める。テーブルは真っ二つに。しかし鹿島がカットする。鹿島が叫女にイス攻撃。鹿島はダイビングフットスタンプからイスで連続殴打。小波とはイスでチャンバラ。鹿島がイスを止めて小波がイスを取ると叫女の脳天殴打。そこから鹿島が起死回生。3カウントが入り鹿島の勝利がアナウンスされた。

小波「ジャングル、ジャングル、ジャングル叫女ーーー! いったいオマエはいつまで、どれだけ同情を買うつもりなんだ? 主役のいないTCSは解散して当然。私は大江戸隊の悪の女・寝技師としてこれからやっていく。ジャングル叫女! ジ・エンド。お・し・ま・い・デースッ!」

ナツコ「残念だったね、ジャングル。全部、ウチらの手の上でころがってたっていうわけよ。今日から小波は大江戸隊! そしてTCSは解散だーーーーっ!」
叫女「小波ーーー! 小波っ! ウワァァァァーー!! TCS…、守れませんでした。ごめんね……(涙)。ほかのメンバー、みんな好きなところに行ってください。私は、私の道を生きます。TCSを応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました」

 

大江戸隊のコメント

小波「ジャングル叫女、すごいしつこい。なにが言いたいの? いないものをずっとずっと追いかけて、それで同情を買ってるつもり? いつもそんな生き方。アイツが私のとなりにいたらただのお荷物、そして私は新しく大江戸隊に辿り着いた。ただそれだけ。自分のために闘う。仲間のためでも、誰のためでもない。ただ自分の闘いを求めてここに来た。それだけ。ジャングル叫女、トーキョーサイバースクワッド、ジ・エンド!」

――小波は自分の意志で大江戸隊を選んだ?

小波「そうです」

ナツコ「当たり前だろ!」

――ナツコが誘ったのではない?

ナツコ「ちげえよ。見込みがあるから話を聞いてやったんだよ」

――小波から話をした?

小波「大江戸隊に来た理由として、ファンにも媚びてない。そして、もちろん会社にも媚びてない。選手にも媚びてない。みんなが敵な状態。私はただ闘うためだけにここにいます。ほかのユニットに入っても闘えるとは思わなかったので、大江戸隊を選んだ。ただそれだけの話です」

――それはいつの話?

小波「え~…」

ナツコ「1ヵ月くらい前からじゃない、連絡取り合ってたの。もっと前から? もっと前か。なんかいろいろあって、よくわかんないけど、とにかく小波の方から嫌われ者になりてえって言ったからよ、受け入れたわけよ。もちろん実力ともに兼ね備えているし、いまの大江戸隊にはいないスタイルだからね。明日から要注目」

――この1ヵ月は小波が叫女を騙していた?

小波「…そうです」

ナツコ「ウフフフ。アイツ、バカだよな。ずーっと誰か信じて。いままでもずっとそうだろ。渡辺桃とか。ウチら裏切りに入ったかわかんねえけど、心の底ではずっとイヤだと思ってたし、今回の小波だってそう。アイツは誰かを引っ張る力とか、ユニット作る力がねえってこと、今日で証明されたでしょ。じゃあ、ウチらからはもうないから」

◆ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合 30分勝負

<王者組>

22分33秒
フェニックス・スプラッシュ→エビ固め

<挑戦者組>

林下詩美

舞華●

○上谷沙弥

ひめか

※第18代王者組の林下詩美&上谷沙弥が初防衛に成功

林下詩美&上谷沙弥組がゴッデス・オブ・スターダム王座初防衛戦。当初は8・23でのタイトルマッチが決まっていたのだが大会中止により今回にスライド。挑戦者もそのままDDMの舞華&ひめか組である。王者の詩美はシングルリーグ戦5☆STAR GPで初優勝。舞華、ひめかともこのシリーズを通じシングルプレーヤーとしての力を存分に誇示してみせた。しかもひめかは詩美と決勝を争っている。5☆STAR GPを経てのタッグ王座戦だけに、両チームの成長度がリング上で激しくぶつかり合うことは必至だ。そんななかで試合のカギを握るのは上谷だろう。5☆STARでは白星こそ伸びなかったものの殊勲の得点も挙げており、ほかの3人に成長具合で大きく劣っているとは思えない。元々ゴッデス王座は上谷のアピールによりこのチームで戴冠を果たしている。それだけに上谷の奮闘がものをいう闘いとなるのではないか。

 舞華が詩美を指名する形で先発で顔を合わせる。ロックアップで組み合い舞華が腕を取りにいくが詩美も取り返す。バックの取り合いとなり、舞華がヘッドロック。詩美が切り返そうとするが舞華がさらに締め上げる。詩美がロープに振ってショルダータックル。詩美が上谷と合体しロープワークで翻弄しダブルのドロップキックを見舞う。詩美は舞華にストンピングの連打。上谷が舞華に自軍コーナーでキックの連打。持ち上げようとするが舞華が反対に叩きつける。ひめかが入り、舞華とともに上谷の顔面に足を当てていく。ひめかは上谷をコーナーに連続で叩きつける。さらに髪を束ねてヘアーホイップからコーナーに追い込んで喉元を踏みつける。ひめかは滞空時間の長いボディースラムを連続で決める。舞華が上谷にボディースラム。舞華とひめかが連係で上谷を攻撃。舞華の突進を上谷が側転でかわしてドロップキック。詩美が舞華にショルダータックル連打。舞華が飛びついて腕を取る。詩美がエスケープすると、舞華がビッグブーツ。舞華は両腕を取って詩美を叩きつける。ひめかが詩美にニーアタック。詩美が返すと、ひめかは逆エビ固めの構え。上谷がカットし詩美を呼び込むとダブルでひめかをコーナーに振って突進。ひめかがかわして2人にラリアット、まとめてアルゼンチンで担ぎ上げる。ひめかは詩美に逆エビ固め。詩美がエスケープすると、ひめかが突進。詩美がかわして背中へドロップキック。10分経過。詩美がひめかに柔道殺法を連発。舞華がしのぐと詩美はスリーパーに決めていく。しかし舞華がロープに逃れる。詩美はフィニッシュを予告しアルゼンチン狙い。ひめかがこらえて詩美とのラリアットが交錯。打ち勝ったのはひめか。詩美もひめかを吹っ飛ばすが、ひめかがラリアット。ラリアットの打ち合いが展開され、両者ダウン状態。立ち上がり再びラリアットが交錯する。上谷がひめかへダイビングボディーアタック、ミサイルキック。ひめかが返すとひめかにラリアット。舞華と前後からラリアットの競演。ひめかは上谷を寝かせコーナーで舞華とファンタスティックフリップを敢行する。しかし上谷が自力でクリアー。ひめかは上谷をアルゼンチン。そこから前方に叩きつけるが2カウント。ひめかはフィニッシュを宣言するが詩美がラリアット。詩美はひめかのラリアットをかわしてジャーマン。15分経過。舞華が上谷に柔道殺法の連続。返した上谷に対し舞華が顔面を蹴飛ばしていく。上谷がエルボー連打、舞華もやり返す。上谷がエルボーを再び連打、舞華も応戦し打ち合いになる。舞華がロックボトムも2カウント。舞華は予告してブレーンバスターの体勢。上谷がこらえるが舞華があらためて持ち上げブレーンバスターを決める。舞華の突進に上谷はドロップキック、逆片エビ固め。舞華が逃れると、上谷はコーナーへ。舞華も上がり、雪崩式ブレーンバスターを決める。しかし詩美のカットが間に合う。ひめかが詩美を排除し20分経過。舞華の突進に上谷がドロップキック、その場跳びダブルニードロップ。ランニングシューティングスターは舞華が阻止してマットに叩きつける。舞華はフィニッシュを予告して持ち上げる。上谷が逃れてニールキック。上谷は狙いを済ましてランニングシューティングスター。しかし舞華の肩が上がる。上谷は舞華を引き起こしクラッシャー。しかしひめかがカットに成功。詩美がひめかを追い出し上谷とマジックキラー。上谷はフェニックススプラッシュ。これが決まると3カウントが入り、王者組の防衛となった。

 

詩美&上谷組のコメント

詩美「大丈夫? 疲れたけど初防衛したから。私からは、これが未来のスターダム。それだけです」

上谷「まずは初防衛しました。本当にこのベルト、詩美さんと取った大切なベルトなので、絶対に誰にも渡したくないという気持ちが一番強かった結果なんじゃないかと思います。舞華、ひめか、DDMは最近、すごく勢いに乗っているのは目に見えてわかってましたし、試合のなかでも自分が集中的に狙われてる感覚はありました。でも今日、詩美さんとこうやって初防衛することができて、満足な気持ちでいっぱいです」

――フェニックス・スプラッシュは初めて出した?

上谷「初めて出しました。フェニックスでOK? ハイ」

――次期シリーズでタッグリーグが開幕するが、チャンピオンとして優勝はもちろん?

詩美「もちろん、私と上谷で優勝して指名したいタッグもいますので、優勝してこちらから指名したいというのが私たちの意見ですね」

上谷「タッグリーグ、タッグ王者としてももちろん負けられないですし、未来のスターダムと現在のスターダム、これは誰がかかってこようとも、私たちにかなうものはいないでしょう。もちろん、優勝します」

◆ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 時間無制限1本勝負

<王者>

17分25秒
グロリアス・ドライバー→エビ固め

<挑戦者>

ジュリア

中野たむ

※第14代王者のジュリアが初防衛に成功

ジュリアと中野たむのワンダー・オブ・スターダム選手権試合。両者の一騎打ちはこれが3度目で1勝1敗。この試合が文字通りの決着戦である。2人のシングルは白いベルトの王者を決めるトーナメント決勝戦と、5☆STAR GP公式戦。王座決定戦ではジュリアが勝利しスターダムのシングル王座初戴冠、そして公式リーグ戦では中野が雪辱に成功。しかし中野はスターダムでまだシングルのベルトを手にしていない。この短期間でシングルマッチが3回おこなわれるのは極めて異例。それはすべてタイトルマッチで敗れた中野の執念にほかならない。初シングルと同じ白いベルトが懸けられたこの試合、どんな決着が見られるか。ジュリアはここで初防衛を果たし、中野との闘いにピリオドを打つつもりでいるが…。

 ゴングと同時に突進しエルボーの応酬が繰り返される。打ち勝ったのはロープに走った中野。中野がバックキックでコーナーに追い込み反対側に振る。ジュリアがかわしビッグブーツからDDT。中野が返すと、ジュリアは気合いを入れてコーナーへ。中野が追いつきコーナーに上がると両者が張り手の打ち合い。中野が張り手の乱打からカカト落とし。中野は場外に落ちたジュリアめがけて捨て身のプランチャ敢行。中野は「逃がすかコノヤロー」とエプロンで捕まえ宙吊り状態にしてみせる。コーナーに座らせると「投げるぞ!」とアピール。バックを取るがジュリアがこらえる。ジュリアはコーナー上で蜘蛛の巣を張ってみせる。さらに回転エビ固めを雪崩式で放つ。中野が返すともう一度コーナーへ。そこへ中野が食らいつき雪崩式バックドロップ。5分経過。両者髪の毛をつかみ合いエルボーの打ち合い。ジュリアが逆さ押さえ込みから両腕を取って蹴りをぶち込む。ジュリアは中野をコーナーに乗せて雪崩式グロリアスドライバー。中野が返すと、ジュリアは「終わり!」と絶叫しグロリアスドライバーの体勢。中野がこらえてスピンキック。打った中野もダウン。ヒザを着いた状態でジュリアが張り手、中野もやり返す。中野がバックを取って立ち上がりジャーマン。ジュリアが返すも中野は外さないでもう一発ジャーマン。10分経過。ジュリアが返すと中野は腕をクロスしジャーマン狙い。ジュリアがもがいて回避するとバックドロップ。ジュリアが腕を取ってサブミッションへ。中野は意識朦朧も、なんとかロープに足が届く。ジュリアは笑みを浮かべながらダウン状態の中野を「これで終わりじゃねえよな、起きろ!」と立ち上げる。そこへ中野がヘッドバットで2人ともダウンに。9カウントで立ち上がると15分経過。中野の突進をジュリアが捕まえファルコンアロー。中野が返すと、ジュリアがダッシュしビッグブーツ。中野がすぐに立ち上がりカウンターでスピンキック。両者のハイが交錯も中野は倒れずハイキック4連打。中野がダッシュしジュリアがビッグブーツ。ジュリアが起こしてグロリアスドライバーをシットダウンで。すぐに中野が返すとジュリアが突進。中野が丸め込むが2カウント。ジュリアが二段蹴りからシットダウン式グロリアスドライバー。中野が返せずジュリアが3カウントをゲットした。

ジュリア「ジュリアのことが好きで好きでたまらない諸君! 白いベルト初防衛に成功したぞーっ! たむ、たむ。約束通り負けたからアタシの奴隷になってくれよ、なんて野暮なことは言いません。勝てば天国、負ければ地獄。そんな最終決着戦。たむ、オマエ地獄から這い上がって、またベルトかけてやろうぜ」

中野「どんなに地獄見ても、地ベタ這いずりまわってでも、その白いベルト、私は諦めないから。私が這い上がってくるまで絶対そのベルト、オマエが、ジュリアが持っとけよ。約束してくれる?」

ジュリア「当たり前だろ。もう1回やろうって、このベルトかけてやろうって言ったんだから。約束だぞ。アリーヴェデルチ、またな!」

 

ジュリアのコメント

「初防衛、私のこの白いベルト、初防衛に成功したよ。でもさ、なんだろう? 前王者のアイツを背負うのは私だけ。それ以外は許さない。アイツはそう言った。そう言ったけど私は背負ってねえんだよ、そんなもの。私が背負ってるのは、このベルト。そして自分自身の覚悟。私は覚悟を背負った。過去なんて、名に一つも背負ってない。でもこんなにやり合えた女は、初めてだよ。最終決着戦で、これが最後とは言わないけど、当分、たむとは闘えねえって思うと、はー、寂しいな。でも私も次のやるべきこと、やらなければならない相手、いるから。たむのおかげで私は強くなれたよ。ソイツら全部、全部恩返しして、たむにもう一回挑戦してもらうためにずっとずっとこのベルトは持っておきますよ。アリーベデルチ。またな」

◆ワールド・オブ・スターダム選手権試合 時間無制限1本勝負

<王者>

28分58秒
ドラゴンスープレックス・ホールド

<挑戦者>

岩谷麻優

朱里

※第12代王者の岩谷麻優が4度目の防衛に成功

メインは岩谷麻優と朱里が赤いベルトを懸けて激突するワールド・オブ・スターダム選手権試合。“スターダムのアイコン”岩谷は昨年11・4後楽園でビー・プレストリーを破り赤いベルト奪取に成功。以後、3度の防衛に成功しているが、カード変更や大会中止など、紆余曲折を経ながらもベルトを守り抜いてきた。そして今回の防衛戦の相手は、DDMに加入しスターダムにレギュラー参戦するようになった朱里である。朱里はこれまでのスターダムにいなかったタイプの万能ファイター、UFCをはじめ格闘技の経験も豊富だ。それだけに岩谷にとっては最高に闘いづらい相手だろう。岩谷に最大のピンチ到来か。ここで守り抜けば、一年間防衛という長期政権も見えてくるのだが…。

 グラウンドの攻防でスタートし、朱里が脚を取ると岩谷がエスケープ。岩谷が手を挙げて誘い手四つへ。その瞬間朱里が腕を捻りあげ腕の取り合いへと移行する。岩谷がヘッドロック、朱里が腕を取ると岩谷も取り返す。朱里がヘッドロックを仕掛け岩谷がロープに振らんとするも外さない。岩谷が逃れると朱里がショルダータックル。朱里はストンピング連打からローキックも連打していく。岩谷がロープに振ろうとすると朱里がエルボー。ハイキックのかわし合いからハイが交錯。朱里が岩谷をロープに追い込み顔面を踏みつける。朱里が突進し顔面にニー。さらにエプロンを疾走してのニーアタック。岩谷を戻すとヒザ十字固め。岩谷がエスケープも朱里はヒザへのストンピング連打。朱里は気合いを入れて串刺しニーアタック連打。岩谷が返すと朱里はアキレス腱固め、サッカーボールキックの連打。返した岩谷だが、さらに朱里のキックを食らいまくる。10分経過。朱里がハーフハッチスープレックス、アキレス腱固め。朱里がエプロンで岩谷のバックを取る。場外に投げようとするがしのいだ岩谷が蹴りを食らわす。岩谷はエプロンで朱里のバックを取りジャーマンで叩きつける。岩谷が場外の朱里にトペスイシーダを見舞う。リングに戻るとミサイルキックを投下。岩谷はフィニッシュを予告しドラゴンの構え。朱里がこらえて15分が経過。岩谷は低空ドロップキックで場外に送り出すとプランチャ狙いでコーナーへ。朱里が阻止しようとするが岩谷はレッグブリーカーから胸板にチョップを叩き込み雪崩式フランケンシュタイナー、フロッグスプラッシュ。つづいてムーンサルトにいくも朱里がかわしてみせる。ヒザを着いた状態でエルボーを打ち合い、朱里がミドルキック。崩れ落ちた岩谷だが朱里のミドル連打を受けて立つ。朱里のハイキックで岩谷ダウン。朱里はさらに顔面にキックを叩き込む。岩谷は場外でダウン。16カウントで岩谷が生還。20分経過。朱里がダウン気味の岩谷にミドルの乱打。岩谷が蹴り足をキャッチするが朱里がハイキック。朱里が担ぎ上げると岩谷がこらえてドドンパで叩きつける。岩谷はキックをかいくぐり再びドドンパ。岩谷はムーンサルトプレスを決めるも朱里が返す。岩谷が突進するがカウンターのハイをもらってしまう。両者ダウン。9カウントで立ち上がると両者のエルボーが交錯。岩谷がハイキックからジャーマン。朱里が返すと岩谷はドラゴンを放つ。しかし朱里が返してみせる。25分経過。朱里がストレッチマフラーホールド。エスケープされた朱里が岩谷を担ぎ上げて山折りへ。しかし岩谷の肩が上がる。朱里がジャンピングニーアタックを前から後ろから放つ。岩谷が返すとパイルドライバーからムーンサルトプレス。しかしギリギリで朱里が返す。岩谷はトラースキック3連発。4発目を朱里がキャッチもさらに蹴りをもう一発。そして二段式のドラゴンスープレックス。朱里が返せず岩谷が赤いベルトを守り抜いた。

岩谷「(トロフィーを壊しそうになるがなんとかセーフ)危ない、危ない。横浜のみなさん、こんばんはーーー! 赤い、赤いベルト防衛したけど、いま左足が攣った。クソ、足攣った×2。ヤバイ、ちょっと待って。無事に治りました。みなさんの拍手のおかげです。ありがとうございます。セコンドもありがとう。赤いベルト、白いベルト、両方とも時間無制限、関係ないじゃないか! 30分もいかなかった! っていうか朱里、オマエはマジで強すぎる。強すぎて今日どっちが勝ってもおかしくない闘いだった。まあ、いま赤いベルトを巻いているのは岩谷麻優。それが横浜(武道館)こけら落としの最終回でございます。いい蹴り、何発も入って心折れそうだったけど、まだまだ赤いベルト、落とすわけにはいかないんですよ! まだまだ、もっとたくさんやりたい人いるんで、誰かわかりますか? まあ、この何百人もいるお客さん、違う一人一人が頭に浮かんでいると思うんですけど、ってういか話が長くなっちゃうと、明日の名古屋移動できなくなっちゃうんで、このへんで終わりたいと思います。ありがあとうございました」

朱里「ごめん、急いでいるのに、ちょっと一言。一言ちょっと言っていいかな? 今日、私は全力でその赤いベルトを取りに行きました。でも岩谷麻優のしぶとさ、タフさ、それに勝利することはできませんでした。やっぱり赤いベルトを取るにはそれなりの覚悟が必要で、私はスターダムの内部に入って、そのベルトをイチから狙っていく! 次は、次こそはその赤いベルト、絶対取ってみせる。ありがとうございました!」

朱里が退場。

岩谷「拍手ちょっと待って。メチャクチャみんなが幸せになるニュースじゃないですか! なんか感動的で敵ながら涙がホロリしてしまいました。しまいました、しまいましたね。内部に入るということは? これからもスターダム、明るい未来しかないってことですよ! みなさん、目を離さないでスターダムに付いて来てください。絶対幸せな、幸せな日々を皆様にお届けしたいなと思います。というわけで、今日、メインイベント勝ったのは岩谷麻優! なので、今日はSTARSが締めたいと思います。声は出せないんですけど、みなさんで大きなSの字を作って、スターダムのときにアピールしてもらえればなと思います。というわけで今日! あー、なんだひと言どうぞ」

キッド「えっと、私とたむちゃんは惜しくもベルトを取ることができなかったんですけど、麻優さんがしっかり防衛してくださって、こうしてSTARSで締められることが本当に幸せです。今日来てくれてありがとうございました」

岩谷「というわけで、締めたいと思います。いまを信じて、明日に輝け、We Are STARDOM! ありがとうございましたー!」

岩谷「赤いベルト、防衛することができました! マジでマジで何回気絶、気を失ったんだろうというぐらい。ちょっとところどころ覚えてないので、たぶん本能的な何かで。ただ本能のおもむくままに体が動いてたんだと思います。関節技もやっぱりすごいですよ。ものが違う女でしたっけ? 本当にその名の通り、ものが違うなと思いました。未知との遭遇、初めてのシングルマッチでギリギリの闘いだったのかなと思います。本当に、本当にもうなんて言うんだろう…。勝った喜びというよりも、よく岩谷麻優最後まで立ってたなと、自分自身褒めてあげたいなと思います。褒めてあげたいというか、岩谷麻優ってすげーなと思いました。楽しかったです。あんまり覚えてないから楽しかったと言えるのであって、全部頭の中に覚えてたら、痛いよね…。ちょっと何言ってるんですか。これは蹴られたせいですかね。たぶんそうだと思います。このおしゃべりは、本能のままではありません。あれ? 何を言ってるんですか」

すると、マーベラスの彩羽匠が乱入。

彩羽「麻優さん、おめでとうございます。見てました、ちゃんと」

岩谷「待って、待って、待って。来てたんですか」

彩羽「もちろん見ますよ。大丈夫ですか。しっかり治してくださいよ。きょう、足大丈夫ですか?」

岩谷「はい、全然大丈夫ですけど、何か」

彩羽「わりとすぐにでも赤いベルトやりたいなというのがあって。試合を見てすぐやりたいと思ったのでさっき調べたんですけど、1018日後楽園大会ありますよね」

岩谷「はい、あります」

彩羽「カード決まってますか」

岩谷「いや、別に。アーティストとかタッグとか狙い…。うーん」

彩羽「じゃあ、ちょっとそろそろ、もっと強い岩谷麻優いるんじゃないですか。自分が引き出しますよ。その上でそのベルト、もらおうかなって思います。自分、スターダムでデビューしたんですけど、ずっとこのベルト狙ってますからね。その時期がきたんじゃないかなと。いい感じにハクもついてきたし」

岩谷「きょうの試合見てハクがついたと思ったんですか? ということは岩谷麻優の強さ、試合の岩谷麻優を褒めたってことですよね?」

彩羽「このでかい会場でできるスターダムってやっぱりすごいですよね」

岩谷「すごいですよ」

彩羽「岩谷麻優じゃなくて、スターダムがすごいのかなと思ったり」

岩谷「でもそうやって挑戦しにくるって、気になってるってことですよね」

彩羽「その赤いベルトにね。麻優さん、18日、そんなに時間ないですけど、仕上げてきてくださいね。自分のレベルまで追いついてください。(隅にいた小川代表に)小川さん、お願いします。1018日」

岩谷「いや、なんでそこにいるんですか」

彩羽「そりゃあいるでしょう」

小川代表「検討します」

彩羽「お願いします。(岩谷に)明日も試合頑張ってください」

岩谷「…はい」

彩羽「自信なさそう(笑)。これ、取っちゃいます。自分、赤いベルト取って、スターダムもっと盛り上げていきたいと思います。そしてマーベラスもね、一緒に女子プロレス界どんどん引っ張っていきたいと思います。ありがとうございます。失礼しました」

岩谷が握手の手を伸ばすも彩羽はスルー。

岩谷「おい、スルーするなよ、マジで。でも、本当に本当にこのベルト価値が上がってきたなと思います。いろんなところの選手がこの赤いベルト、イコール岩谷麻優に挑んでくる。当たり前ですよね。自分はスターダムのトップとしてここで折れるわけにはいかないし。今日闘い抜いて『あ、これ誰にも負けないな』って、自分自身の強さをあらためて実感したんで、これからも頑張っていくだけです。ありがとうございました」

 

朱里のコメント

「先日、亡くなった母に赤いベルトを巻いた姿を絶対に見せたかったけど(涙)。でも、岩谷麻優のいままでスターダムを引っ張っていって、その気持ち、しぶとさ、タフさに自分はきょう勝利できなかったです。なので、自分はスターダムに参戦し始めてからすごいいろいろ考えて、コロナになって、母を亡くして、いろいろ考えて考えて、きょうこの試合で負けて。自分はこのリングで輝きたい、あの赤いベルトを必ず巻く。なので、自分はスターダムの内部に入ってイチから、イチからベルトを取りにいきます」

一覧へ戻る