STARDOM WORLD CHAMPIONS WARS 2019
10月14日(月・祝)後楽園ホール(観衆733人)
試合結果
◆シングルマッチ 15分1本勝負 |
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中野たむ |
9分23秒 |
上谷沙弥 |
◆ガントレットタッグマッチ 各15分1本勝負 |
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○葉月 |
2分00秒 |
アンドラス宮城● |
刀羅ナツコ |
ジェイミー・ヘイター |
(1)小波&DEATH山さん(2分22秒、セントーン→片エビ固め)小野崎玲皇&妃南●
(2)○スターライト・キッド&飯田沙耶(2分27秒、OTR)小波&DEATH山さん。●
(3)アンドラス宮城&○ジェイミー・ヘイター(2分36秒、牛殺し→片エビ固め)スターライト・キッド&飯田沙耶●
◆ブルーゴッデス公式リーグ戦 15分1本勝負 |
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夏すみれ |
6分12秒 |
ボビー・タイラー● |
○”セッションモス”マルティナ |
ゾーイ・ルーカス |
◆レッドゴッデス公式リーグ戦 15分1本勝負 |
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○岩谷麻優 |
10分23秒 |
渡辺桃● |
鹿島沙希 |
AZM |
◆ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者> |
18分42秒 |
<挑戦者> |
星輝ありさ |
花月 |
※第13代王者の星輝ありさが6度目の防衛に成功
◆ワールド・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者> |
21分47秒 |
<挑戦者> |
ビー・プレストリー |
木村花 |
※第11代王者のビー・プレストリーが5度目の防衛に成功
試合詳細リポート
◆シングルマッチ 15分1本勝負 |
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中野たむ |
9分23秒 |
上谷沙弥 |
10・12新木場大会が台風の影響で中止になったスターダムだが、10・14後楽園は予定通り開催、オープニングマッチで中野たむと上谷沙弥がシングル初対決をおこなう。スターダムアイドルズ出身の上谷は中野との出会いでプロレスラーの道へ。上谷は、デビューから2カ月あまりで、シングルは今大会が5試合目となる。上谷のデビューに「責任を感じている」という中野。試合を通じて両者はどんな会話を交わすのか?
上谷から握手を求め中野もクリーンに応じ試合開始。中野が手を差し上げると上谷が慎重にロックアップへもっていく。中野が腕を取ると上谷も取り返していく。上谷がヘッドロックからグラウンドにもっていく。中野がヘッドシザーズも上谷が抜け出す。中野がロープにいくと上谷はショルダータックル。中野が連発を受けて立つ。中野が打ち勝ちサッカーボールキック。中野が弓矢固めもこらえた上谷がエルボー連打。中野が打ち返し上谷がダウン。それでも上谷はエルボーを連発。中野がバックキックからダッシュすると上谷は「なめんな!」と叫んでドロップキック。上谷は鎌固めに中野を捕らえる。逆エビ固めに移行しそり上げるが、中野がすぐに脱出し逆片エビ固め。上谷がエスケープすると中野が背中にストンピング。突進をかわした上谷がドロップキック。上谷は予告してボディースラムから逆エビ固めでギブアップを迫る。中野はなんとかロープへ到達。上谷がドロップキックを連打しフィニッシュを予告しもう一発。上谷が押さえ込みの連続で中野を追い込む。マウントパンチの連打からあらためて押さえ込むが中野が返してみせる。上谷が立ち上げると中野が丸め込んで低空のキックを頭部に放つ。中野は上谷を引き起こしバックドロップ。上谷が切り返して丸め込むが2カウント。再度丸め込みの連続にいくが中野が返していく。上谷がエルボー連打、ロープに走ると中野がカウンターでスピンキック。もう一度突進するがもう一発スピンキックを食らう。上谷が返せず中野の勝利がアナウンスされた。試合後、中野は上谷を引き起こして四方に礼。上谷に肩を貸し、ともに退場した。
中野のコメント
中野「この場だけでは語りつけない思いの尺が上谷に対しては本当にいろんな気持ちがあって、アイドル師弟対決と言われたりするんですけど、私は上谷を弟子と思ったことは一回もなくて、上谷はたむさんたむさんと慕ってくるんですけど、私は上谷に出会ったときから同じ目線で未来を見られる子だなとずっと思っていたし、これまで出会ってから1年ですけど、本当にいろんなことに気づかされて、彼女と会って新しい発見が毎日あって。自分がしんどくてつらかったときも、彼女のおおらかさとかに助けられたりして。私は逆に与えてもらってばかりだなという気持ちが大きかったので、今回は逆に、私が何か上谷に与えられたらいいなという気持ちで臨みました」
――最後は厳しくスピンキック2発。
「本当は一発で、バックスピンとは決めてたんですけど、一発目いいのが入って、ああ、これでフィニッシュというか、伝えられたかなと思ったんですが、そのあと上谷が立ち上がってきたんですね。私はきょう、見た上谷の顔は初めて見た彼女の顔だなと私は感じたんですけど。だから私ももっともっと本当にお師匠様と言われるぐらい何かを与えないとと思って2発目を与えました」
――上谷が本当にプロレスを望んでやってるという気持ちを感じたかったのかなと思うが?
「すごいですね、なんでわかるんですか」
――その気持ちは感じた?
「本当にずっと負い目があって。アイドルを目指してきて、こんなつらくてしんどくて痛い思いをしなきゃいけなくなって。おこがましいかもしれないですけど、私は上谷の人生を変えちゃったんだと思ってるんですよ、いまでも。かわいい顔に傷もつくしあざもできるし。アイドルに求められる細い足はゴツゴツしてくるし。だから、そういう面でも助けてほしかったんだと思います。どうしようもない気持ちを、上谷に私自身がぶつけたかった。これは自分勝手なことなんですけど。それを受け止めてくれて、上谷自身が受け止めてくれて、最後に本当に伸びてる上谷の上にかぶさってフォールを取ったときに、たむさんに出会えてプロレスに出会えて幸せですと言ってくれたんです(涙)。それが聞けたから(涙)すごく救われたし。私はもっと、上谷がプロレスに出会わなかったら不幸だったってくらいにプロレスが素敵な世界だと一緒に体験していきたいです。私が負い目を感じていたこと自体がおこがましいというぐらい、上谷自身がプロレスを愛してるんだなというのが伝わってきました。でも本当に、脅威的な存在ですね」
上谷のコメント
「やっぱり1年前に出会ってから、1年ぶんの思いを伝えるつもりで試合して。いままでプロレスで試合するときは、ほかの選手と試合するときはなんかまだ自分のなかで戸惑いというか、あったんですけど、たむさんだったからこそ思い切りぶつかることができて。一つ自分のなかで何か殻が破れた気がしたというか。いままでよりも感情を爆発させることができたと思いました。それは1年分のたむさんへの思いがあったからこそだったと思うし、一番信頼している先輩がたむさんだからだと思います」
――スピンキック1発目はよく立ち上がれたが?
「本当に、記憶がぶっ飛ぶぐらいきつかったんですけど、やっぱり今回は何があろうともたむさんに思い切りぶつかっていくと決めていたので、なんとか気力で立ち上がっていったんですけど、2発目でやられました。プロレスに出会えて私は幸せだし、感謝の気持ちが大きいです」
◆ガントレットタッグマッチ 各15分1本勝負 |
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○葉月 |
2分00秒 |
アンドラス宮城● |
刀羅ナツコ |
ジェイミー・ヘイター |
(1)小波&DEATH山さん(2分22秒、セントーン→片エビ固め)小野崎玲皇&妃南●
(2)○スターライト・キッド&飯田沙耶(2分27秒、OTR)小波&DEATH山さん。●
(3)アンドラス宮城&○ジェイミー・ヘイター(2分36秒、牛殺し→片エビ固め)スターライト・キッド&飯田沙耶●
出場5チームは“大江戸隊”葉月&刀羅ナツコ組、“大江戸隊”アンドラス宮城&ジェイミー・ヘイター組、“TCS”小波&DEATH山さん。組、“STARS”スターライト・キッド&飯田沙耶組、“クイーンズクエスト”小野崎玲皇&妃南組。試合順も勝敗を大きく左右する形式で、最後に勝ち残るのは?
小野崎&妃南vs小波&DEATH山さん。でガントレットマッチがスタート。DEA―THを連呼するデスヤマに小野崎が襲いかかり妃南もドロップキックでつづく。しかし小波が割って入りQQを分断。それでも小野崎がデスヤマをロープに追い込みOTRを狙う。小波が入ると小野崎と妃南が連係で攻撃。妃南が小波にSTO。連発し押さえ込むが小波が返してカウンターでミドルキック。デスヤマを連続で妃南が丸め込み。デスヤマが返すと小波がカウンターでニー、デスヤマがセントーン。妃南が返せず、小波&デスヤマが勝利。つづいてキッド&飯田が登場。ゴングとともにキッド組が突進。コーナーに追い込みダブルでの串刺し攻撃を見舞っていく。キッドと飯田でデスヤマへドロップキックの挟み撃ち。キッドがその場飛びムーンサルト。ダブルのラリアットを小波がかわしてドロップキック。小波がキッドの脚を取るとカットに入った飯田をそのままブレーンバスター。デスヤマがキッドに正拳突きの連打。キッドがクロスボディーを放つと飯田がミサイルキック、キッドがフィッシャーマン。キッドが突進すると小波がカットしデスヤマがセントーン投下。キッドが返すとデスヤマはコーナーに上がる。キッドが下からエルボー連打、ドロップキックで落とすとデスヤマはエプロン。内側からドロップキックを連打するとデスヤマが転落しキッドがOTR勝ち。つづいてアンドラス&ヘイターがリングへ。大江戸隊が襲いかかりキッド組を圧倒。キッドを捕まえるとダブルでサブミッション。キッドを担ぎ上げOTR狙いも飯田がエプロンで阻止。キッドと飯田がダブルでドロップキック。キッドがボディーアタックもアンドラスがキャッチ。キッドが丸め込みから背後へのドロップキック。キッドが丸め込むがヘイターのカットが間に合う。ヘイターが入ると飯田が丸め込みの連続。アンドラスとヘイターが飯田にブレーンバスター。ヘイターが飯田に牛殺し。飯田が返せず、ヘイター組が勝ち残り。次に現われたのは葉月&ナツコで大江戸隊の同門対決に。ゴングが打ち鳴らされると葉月とナツコがヘイターに突進、相手チームを分断しヘイターに合体攻撃。ダブルのセントーンから葉月が顔面ウォッシュ。ヘイターの串刺し攻撃を葉月がかわしナツコと合体。葉月がコードブレイカーを見舞うが、コーナーに上がるとカットされる。アンドラスが葉月のガン目を蹴飛ばしコーナーへ。葉月が落としてアンドラスはエプロン。エプロンで逃げ回るアンドラスをヘイターが救出しようとするが葉月がかいくぐってアンドラスを蹴落とす。これにより葉月&ナツコ組がガントレットマッチの勝者となった。
◆ブルーゴッデス公式リーグ戦 15分1本勝負 |
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夏すみれ |
6分12秒 |
ボビー・タイラー● |
○”セッションモス”マルティナ |
ゾーイ・ルーカス |
10・12新木場で予定されていたタッグリーグ公式戦は大会中止により日程変更。よって今大会が事実上のタッグリーグ開幕戦となる。そのオープニングを飾るのは夏すみれ&マルティナ組vsボビー・タイラー&ゾーイ・ルーカス組。外国人に囲まれた夏がどう対処するかが勝負の分かれ目か。スタートダッシュをかけるためにも、どのチームも負けられない。
夏組は缶ビール片手に入場。夏は自分で自分をコール。タイラーが中指を突き立てマルティナを挑発。マルティナはビールを隠す。ゴングが鳴るとルーカスに持たせる。ルーカスは缶を投げ捨ててしまう。マルティナはカウンターのトラースキックからミサイルキック。夏がマルティナと合体しルーカスをコーナーへ追い込む。カットに入ったタイラーも捕獲し2方向でブロンコバスター。ゾーイには2人でまたがる。夏がルーカスにサブミッションもタイラーがカット。タイラーは延髄斬りでマルティナを場外に送り出す。ルーKスとタイラーが夏をマットに叩きつける。ルーカスは夏に串刺しのスピンキック、ネックブリーカードロップ。タイラーが夏に串刺しエルボーアタック連打からビッグブーツ。タイラーは夏にダブルアームの構え。夏がこらえてマンハッタンドロップ。マルティナを呼び込みダブルで攻撃。マルティナがタイラーにエルボー連打。タイラーがバックを取るとルーカスがエプロンでレッグドロップ、タイラーがフェースバスター。マルティナが2人にエルボー、ヘッドバット。マルティナがタイラーにコーナーからコードブレイカー。タイラーが返すと、マルティナは二段蹴りをかわしてヘッドバット、コブラツイストの構えから逆打ちのように叩きつけるとタイラーが返せず3カウントが入った。
◆レッドゴッデス公式リーグ戦 15分1本勝負 |
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○岩谷麻優 |
10分23秒 |
渡辺桃● |
鹿島沙希 |
AZM |
岩谷麻優&鹿島沙希組vs渡辺桃&AZM組のタッグリーグ公式戦。STARSvsクイーンズクエストの図式でもあるこの試合、カギを握るのはAZMの存在か。シングルリーグ戦5☆STAR GPでは代打参戦のAZMが大きく飛躍した。事実、AZMは4勝4敗の五分で予想を遙かに上回る成績を残してみせた。しかも今回対戦する鹿島からも白星を挙げている。5☆STAR GPでは最終公式戦で桃が岩谷を破っている。それだけに、QQサイドからすれば勢いそのままぶつかってくる闘いであり、STARS側にはリベンジがテーマ。桃&AZMの勢いがタッグリーグにも波及するか、それとも岩谷&鹿島がシングルでのリベンジを果たし、ゴッデス・オブ・スターダム王座奪回への足がかりをつかむのか。
AZMと鹿島が先発。アームホイップの応酬から鹿島がドロップキック。岩谷が入り鹿島と合体、AZMを連係で攻撃していく。岩谷がAZMにサッカーボールキック。桃のアシストでAZMが岩谷にドロップキック。桃が岩谷にボディースラムから逆片エビ固め。AZMが岩谷の左脚をロープにかけてドロップキック。桃が岩谷の左脚を自軍コーナーでストンピングの連打。サッカーボールキックを浴びせると、桃が押さえ込むと岩谷が肩を上げる。桃は岩谷にキャメルクラッチ、AZMが蹴飛ばす。岩谷が返すと、串刺し攻撃をかわしてAZMにドロップキック。岩谷がAZMにビッグブーツ、フェースクラッシャー、ダイビングフットスタンプ、ダブルアームスープレックスホールド。5分経過。鹿島とAZMがエルボーの打ち合い。鹿島がAZMのミサイルキックを食らう。桃が入り鹿島に串刺しドロップキック、裏投げ。桃がBドライバーを狙うが鹿島が切り返し丸め込みの応酬に。桃とAZMがダブルのキック。桃が鹿島にBドライバーを敢行もカットされる。桃は鹿島にダイブもかわされる。鹿島が回転エビ固め。鹿島が起死回生も桃がギリギリで返す。鹿島が桃の顔面を蹴り上げ岩谷に託す。岩谷が桃にミサイルキック。岩谷が絶叫し桃へ低空ドロップキック、ノーザンライト。桃が返すと岩谷はフィニッシュを予告しダイビングフットスタンプ。かわした桃が蒼魔刀。桃は
コーナーに上がるが鹿島が阻止して岩谷が雪崩式フランケンシュタイナー、鹿島がダイビングフットスタンプ、岩谷がフロッグスプラッシュ。AZMがダブルのキックで挟み撃ちを食らう。岩谷がフィニッシュを宣言するが桃がコーナーからピーチサンライズの体勢へ。しかし丸め込まれる。岩谷が返すとムーンサルトプレスを桃に投下。桃が返せず、岩谷が勝利となった。
岩谷のコメント
――コスチュームの色は?
「タッグリーグということで、ホントはおそろいのコスチュームを作る予定だったんですよ。でもそれがちょっと開幕戦に間に合わないと言われて、おそろいはあきらめるかと言って、で、次にガウンを発注したんですけどそれも間に合わず今日届いて。まだ受け取る人がいなくて(笑)」
――コスチュームは交換した?
「そうです」
――いま着ているのは鹿島のコスチュームで、鹿島は岩谷のコスチュームで試合をした?
「そうです、ハイ。自分は沙希ちゃんのコスチューム似合っていると思うんですけど、沙希ちゃんはちょっと違和感があった気がするけど(笑)。まあでも今回は5☆STAR GPが終わってひとりの闘いじゃないので、仲間もいる闘いなのでちょっとおそろいというかなんというか、ふたりで頑張ろうねみたいな感じの意味も込めて変えてみました」
――このシリーズはそのコスチュームで通す? それとも今日だけ?
「……。いやあ、わかんない。お客さんの反応しだいですね、それは」
――勝ったから験がいいコスチュームになる可能性も?
「確かに、そうですね。まあでも自分的には初戦負けた方が優勝できるんじゃないかっていうジンクスがちょっと自分の中にあるので、勝ったことはうれしいんですけど、今日勝っちゃって大丈夫なのかなって逆にちょっと、不安になるというか」
――ただ、桃にリベンジできたのは大きいのでは?
「ああ、そうですね。5☆STARで負けてるんだ。まあ、あんまりそこは意識はせずやってたという感じですね。自分たちはタッグ組み始めて結構長いので、新技というよりはいままでやってきた技、連係技をやって勝てたというのがすごくうれしかったところで、これからもばく進したいと思います」
――狙いは優勝してゴッデス王座奪回?
「はい、それはもちろん、取り返したいと思います」
――シリーズ通じて連係はうまくいきそう?
鹿島が言うには、連係はうまくいかないんだけど最後は(勝ってる)という。
「ハイ。今日もちょっとテンポが合わないというか(笑)。あれっていう部分もあるけど、それでも結果は残せているんで。普段から噛み合わないけど、一緒にいて居心地がいいというのは普段からなので。2人の私生活がリングにそのまま現われるという感じなので、あれっと思っても不信感とかはなく、あ、出たな、みたいな(笑)」
――自然にやりやすいチーム?
「ハイ、そうですね」
◆ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者> |
18分42秒 |
<挑戦者> |
星輝ありさ |
花月 |
※第13代王者の星輝ありさが6度目の防衛に成功
9・22後楽園の再戦が早くも実現する。前回は5☆STAR GP最終公式戦でぶつかり15分時間切れのドロー。その決着戦は星輝ありさの白いベルトを懸けた闘いとなる。「白にはまったく興味がない」とうそぶく花月だが、ワンダー王座を巻いてなにをおこなっていくのかという興味は尽きない。同時に、この試合が星輝の長期政権へのきっかけとなる可能性もあるだろう。ここで星輝がベルトを守れば、いよいよ無敵の存在か。シングルリーグ戦では若干勢いの衰えが感じられた星輝だが、花月との初シングルでそんな杞憂も払拭した。この試合の行方によって、2019年終盤の景色は大きく変わる。
キックの威嚇でスタートし打撃の応酬。組み合って離れると花月が打撃、星輝も応戦しいったんブレイク。リングサイド後方では中野が星輝の試合を見つめる。中野が背後から首を取る。星輝が腕を取り蹴飛ばしてみせる。花月をコーナーに追い込みダブルニーアタック。花月は1カウントで返すが星輝がロープを利用してのキックを見舞う。星輝はドラゴンスリーパー。星輝がビッグブーツを連発。しかし2発目を花月が受け止め場外に出すと高速のトペ。花月はもう一発トペを発射。花月は鉄柱越えのプランチャを放ってみせる。リング下では水を噴射。花月は星輝をリングに戻すとスワンダイブでミサイルキック。串刺しエルボーアタック、顔面への串刺しドロップキックでたたみかける。5分経過。花月がダイビングフットスタンプを右ヒザへ。つづいて左腕へのダイビングフットスタンプ。さらに背中へももう一発。腹部へもダイビングフットスタンプを決めると腕を取って締め上げる。星輝が向かっていこうとするが立ち上がれず、花月は「こいよ」と挑発。星輝がなんとか立ち上がるが花月が打撃の連続。星輝はミドルキックも花月がやり返す。ミドルの打ち合いで星輝が連打。花月がキャッチも星輝が払いのける。星輝が飛びついて花月に飛び乗る。花月は前方に叩きつけ、突進。星輝がコーナーから延髄にキック。もう一発キックを打つと10分経過。星輝は花月を引き起こしハイキック。花月がブロックも星輝は延髄斬り、オスカッター。しかし花月がクリアー。星輝は1399から花月を担いで前方に投げ捨てる。星輝はコーナーに上がるが花月が立ち上がって後方に叩きつける。両者突進から花月がたたみかけ、えびす落とし。星輝が返すと花月はもう一発えびす落とし。フィニッシュを宣言し大江戸コースターもかわされる。星輝がニーアタックも押さえ込みにいけない。両者ダウン。キックのかわし合いから花月がハイキック。星輝がダウンするが2カウントで返す。花月は下からネックロックへ。星輝がエスケープすると、花月は「オマエら見とけ」とコーナーへ。花月が1399を放つが1カウント。星輝はえびす落とし。15分経過。両者ダウン。星輝がハイキック、花月もハイキック。星輝が再びハイキック。花月も放ち、ハイキックの応酬。星輝がハイキックの連打。花月が返すと星輝はニーアタック。花月がかわすが星輝がカウンターで連打。花月が返すと、星輝はマットを叩いて悔しがる。星輝は花月を引き起こし、ブラジリアンキック狙い。花月がレフェリーを利用しミスト噴射からえびす落とし、大江戸コースター。これが決まるが星輝がクリアー。花月がデスバレー狙いも星輝がニー、花月のミストが空振りで宙を切る。星輝がブラジリアンキックをぶち込むと花月が返せず王者の防衛となった。
星輝「はぁ、はぁ。マジで6度目! 6度目? 6度目だー! ベルト防衛しました。でも6回目まであっという間だった…。ちょっと言う前に(と花月と握手)。花月さんはユニットも関係なく尊敬している人です。だから…だから今日勝ててメチャクチャうれしいです! ありがとうございました。でも、あっという間でした。ヤバい……、あっという間だったけど、私の中でスターダムでこの人絶対倒さないといけないって人は花月さんだったんですよ。いまずっと防衛戦走ってきて、次、誰がいるんだろうって思ったんですよね。次の相手がいない気がしてきました。でも私にはやり残してることがまだあって、5★STAR GPで私、負けてるんですよ、何人かに。私はその人たちを倒さないといけないんですよ。まずは最初に負けたジェイミー。この大事なベルトを懸けて試合をしたい。ジェイミーいる?」
ジェイミー「アリッサー、オメデ・ト。オメデトー。5★STAR GPで私がアナタに勝ったの覚えてる? 私がアナタの白いベルトに挑戦してあげる」
星輝「ちょっと待って、白いベルト挑戦するよっていま言った? よし! あとは何言ってるかわらなかった、ごめんなさい。まあでも試合ができるなら私はあなたにリベンジしますんでよろしくお願いします」
ジェイミー「ガンバレー」
星輝「いま約束できたんで、いつになるかわからないけど、おいおい決めて、絶対にジェイミーに勝ってリベンジをして、白いベルトの防衛を重ねていきたいと思います。ありがとうございました!」
星輝のコメント
――花月と前回の後楽園で引き分け、今回はベルトを懸けての一騎打ち。
「やっぱり、やっぱりホントに花月さんは強いです。ホントに強い。なんか自分で3カウント取ったのが気づくのが遅かったです。あれ、あ、そうか、みたいな」
――勝ったんだ、終わったんだと気づくのに時間がかかった?
「そうですね、けっこうダメージがあったので(ブラジリアンキックは)渾身の一撃というか、それももうろうとした中でやりました」
――この試合に勝てば新しい景色が見えるのではないかと言っていたが、新しい景色は見えた?
「そうですね。若干。たぶん、なんで若干かっていうと、シングルで負けてる相手にまだその人たちに勝ってねえと思って。確かに私は、花月さんを尊敬しているし、メチャ強いと思います。そういう人に勝てたことは、事実ですけど、でも私が負けてる人がいるっていうのも事実なんですよね。っていうことは、まずそこを潰していかなきゃって思いましたね。考えたんですよ、花月さんに勝ったらもういなくね?って。思ったんですけど、いや、まだいたって思ったのが正直な気持ちですね。(何人かに)負けてたから5☆STARGPで」
――次はジェイミーだが、負けた順にやっていくつもり?
「いまのところはそう考えてますね。ケガしてしまっていま欠場中の人もいるんですけど、その人ともいずれはやりたいですね。基本的には順番通りにやりたいです」
――その順に防衛して負けた全員に勝てば完全制覇?
「そうですね。違う景色が見えるだろうと思って試合が終わったら思い出した、いた。まだ。そう思っちゃった。それが正直な気持ちです」
――いまの流れの中では次はいないだろうという感じだったが、別のところ(リーグ戦)で負けていたから?
「そうなんですよ。思い出した」
――今日の試合に向けて新しいことを考えていると言っていたが、それは、アレ?
「アレですね」
――オスカッター
「オスカッターですね(笑)。なんだろう? せっかくツイッター上でしたけど私に技をあげたいと言われたので。大事なときに使いたいなと思ったんですよ。だから5☆STAR中にやらずにここまで温めてきました」
――残念ながらフィニッシュにはならなかった。
「ならなかった(苦笑)。それはやっぱり、オスカッターはオスプレイさんの技ですから。自分はまだまだだって思いましたけど。でもオスプレイさんは伝授してくれた技に名前をつけてくださって、その伝授してくれるときに。SSC(シャイニングスターカッター)。練習で教わって」
――直伝で、本人公認?
「そうですね」
――花月に1399やられたが。
「マジかよと思って、絶対に返してやると思いましたね。やられたから(えびす落としを)やらなきゃと思って(笑)」
――相手の技を盗み返した?
「ハイ。あんまり相手の技を盗むとか考えない人なんですけどちょっとさすがにムカついて出しちゃいましたね(苦笑)」
――白の王者としてやってきて。
「なんか正直、6度目の防衛に成功した瞬間、あれ、6回目いま?みたいな。あんまり自分に実感がなかったんですね、あっという間過ぎて、ベルト取ってからが。すごくあっという間で、来月でちょうど復帰して1年になるんですけど、メチャクチャあっという間だったので。でもこういうふうにときは流れていくんだなと思ったので、一瞬一瞬の一試合一試合を大切にして、ここからも試合を重ねていこうと思ってます」
◆ワールド・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者> |
21分47秒 |
<挑戦者> |
ビー・プレストリー |
木村花 |
※第11代王者のビー・プレストリーが5度目の防衛に成功
メインはワールド・オブ・スターダム王者のビー・プレストリーが5☆STAR GP2019覇者の木村花を迎える5度目の防衛戦。出場18選手の頂点に立った花だがプレストリーが別ブロックだったため両者のシングルマッチは実現していない。また、プレストリーの初来日当時、プレストリーは花月&花のゴッデス・オブ・スターダム王座に挑戦も、シングルでの対戦はここまでなかった。花は花月との遺恨タイトル戦以来、ちょうど1年ぶりの赤いベルト挑戦だ。最高峰のベルトを巡り、どんな闘いが展開されるのか。花が勝てばもちろん赤いベルト初戴冠。プレストリーは最強外国人の名にかけて花への流出にストップをかける。渾身のタイトルマッチ、その行方は…。
ともに慎重な立ち上がり。ロックアップから花がバックを取るとプレストリーが腕を取る。腕の取り合いからプレストリーがヘッドロック。花がロープに振るとプレストリーがショルダータックル。アームホイップの応酬から両者が向き合う。花が「お願いします」と両手を出すとプレストリーは「ファックユー!」。ビーコールを花が誘発させるがプレストリーがつばを吐きつける。花は「ファックユー、ビッチ!」と言い返しリング下へ。花はプレストリーを幕に挟むとイスを投げつける。さらに傘でプレストリーを殴打。リングに戻し花は背中を踏みつける。再びリング下に出し場外の壁に額をぶちつける。16カウントで戻した花はストンピングから逆エビ固め。5分経過。プレストリーが打撃で向かって行くも花がビッグブーツを連発。プレストリーが腕を攻撃しロープ渡りに同行させると、リング下へのアームブリーカー。プレストリーは右腕をロープに括り付けて攻撃。ロープに固定するとスリーパーで締め上げる。さらに後方からエルボーアタック。花が返すと、ダブルチョップの連打。プレストリーは腕を取ってサブミッション。花がエスケープするともプレストリーは右腕を攻めつづける。顔面へのニーアタックを放つが2発目はかわされビッグブーツ連発を食らう。10分経過。花がブレーンバスターの構えもプレストリーがこらえる。それでもブレーンバスターで投げきることに成功。花がビッグブーツを決めるが返される。花は変型卍固め。プレストリーが持ち上げて脱出。押さえ込むが花が返す。プレストリーが脚をキャッチしフェースロックへ。プレストリーはフィニッシュを宣言し肩車。花が逃れるがプレストリーがバックを取る。花が丸め込むも2カウント。プレストリーが突進すると花がかわす。プレストリーがロープに乗った花にフットスタンプ。15分経過。10カウントでプレストリーが戻る。花は18で生還。プレストリーがニーを打ち込むが2カウント。プレストリーはクイーンズランディングを予告するポーズ。コーナーでのハイキックから宙吊りにするとフットスタンプ狙い。花がコーナーに上がりエルボーを打ち合う。花がヘッドバットから雪崩式ブレーンバスター。プレストリーが返すと、花は卍固め。グラウンドに移行し締め上げるがエスケープを許す。花がビッグブーツからフィニッシュを宣言。コーナーに上がるとミサイルキックで王者を吹っ飛ばす。そしてパッケージパイル狙い。切り返されるが花はジャーマンで投げ捨てる。花はあらためてパッケージ狙い。これも切り返されニーを食らう。20分経過。プレストリーが顔面へニー。プレストリーが立ち上げて変型バックドロップホールド。花が返して突進もカウンターのニーを食らう。プレストリーがもう一発ニーアタック。プレストリーはニーパットをずらして串刺しニーアタック。肩車をしてクイーンズランディングへ。花が返せずプレストリーの防衛となった。
プレストリー「ビー・プレストリーはスターダムのイチバン・レスラー。イチバン・ファッキン・ガイジン。誰が次の挑戦者かしら?」
岩谷が現れる。
プレストリー「マユ、なに?」
岩谷「後楽園のみなさーん、こんばんはーーー! ついに来た! ついに×3、この日を待ってました。次、後楽園ホール、赤いベルト、自分に挑戦させてください」
プレストリー「マユさん、このベルトほしいの?」
岩谷「ヤーヤーヤー!」
ビー「ネクスト・コーラクエン?」
岩谷「イエス!」
プレストリー「オーケーです」
岩谷「よろしくお願いします(両者握手)。というわけで、次の後楽園、絶対、赤いベルト、自分が巻くんで、ぜひ見に来てください。応援よろしくお願いします!」
ビー「オーケー、麻優、バイバイ。QQ、お願いしまーす、モモ」
小川社長「本日はご来場ありがとうございました。ここで一つ紹介したい選手がいます。入門を、入団を希望してる選手が熱い思いでここに来ました。私たちはその熱い思いを受けて立ちたいと思います」
ジュリアが現われる。
ジュリア「はじめまして。ジュリアです。私は女子プロレス界のトップを目指して今日ここにやってきました。この輝く、スターダムのリングで、ジュリアの熱い試合をお見せしますので、よろしくお願い致します。以上です」
桃「…よろしくお願いします。…はじめまして。では、ジュリアさんも来たということで締めに入らせていただきたいと思います。ビー、大丈夫? みなさんQQの締めわかりますか? 行くぞ、いまを信じて、明日に輝け? 誰を信じるかは自分で決めろ!」
プレストリー「バウ・ダウン・トゥ・ザ・ファッキン・クイーンズ!」
小川社長
「今朝彼女(ジュリア)から連絡をもらって、スターダムでどうしてもやりたいという。だったら会場に来てくれということで話しまして、本気の思いを感じたので、我々はリングに上げたということですね」
――今後についていまの段階で言えることはある?
「彼女は上を目指したいということですよね。このリングで上を目指していきたいという思いが強くて、こういう行動に出たということですよね。でも、彼女の思いはしっかりしているので。きょうもリングでああいうふうに自分の気持ちを言えたということは、入団する方向で考えてます。
――いつごろからスターダムで試合をする?「まだ全然(決まってない)。(前の団体はやめてきている?)そうですね。退団した。こちらもあまり彼女に関してはデータがないので、これからどうやっていくか話し合っていかなくちゃいけないし。ただ、ここに来るのはけっこう勇気があることなので、並大抵の考えではここには来られないので。この団体は、ほかの団体と交流してるわけじゃないし、独自の道を歩んでいるわけだから、ほかとの関係を断つこともあるだろうし、そういうことも含めてここに来るという覚悟がなければできない。その覚悟がありました。周りの団体うんぬんということはわかりませんけど、ここで輝いていけばいいんじゃないですか。
――前の団体と契約は?
「契約はないって話を聞きました。契約があったら問題あるでしょうけど。まあ突発的なことなので。まあリングに上げましたけど、これから少しずつ順序を立てていけたらいいなと」
――流れ的にQQと締めをしたが?
「あれはたまたま。あときょうの流れで11・4、次の後楽園はビー・プレストリーvs岩谷麻優。おそらく星輝ありさvsジェイミー・ヘイターというカードを。あとタッグリーグ戦がいくつか決まっているので。
――ジュリアを受け入れたのは彼女の覚悟が小川社長に響いた?
「そうですね。覚悟を感じたので」
――彼女がどういう試合をやってきたかは知っている?
「なんとなく。いい選手だなってことは感じました。木村花に雰囲気が似てるかなって。そんなことを思いました。とにかく、普通はここには来られないですよ。いろんな団体と交流してるわけじゃないし。覚悟がないと。もう止まらない列車に乗ってしまったんだから、突っ走ってほしいですね。まだちょっと乗っただけだけど、これからね。いまはまだ本人の考えてることを話せる状況じゃないんで。そのうち話をする機会が出てくると思います」