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MATCH REPORTS
2025.04.27

『カードファイト!! ヴァンガード Divinez presents ALL STAR GRAND QUEENDOM 2025』

ワールド・オブ・スターダム選手権試合 完全決着敗者引退特別ルール

《王者》

VS

269

上谷沙弥:トワイライトドリーム

※上谷沙弥が二度目の防衛に成功

MATCH REPORT

これまで何度もシングルマッチで闘ってきた上谷沙弥と中野たむがワールド・オブ・スターダムを懸けて激突。しかも負けた方が即引退という究極のルールが用意された。上谷をプロレスの世界に招いたのは中野だが、シングルマッチでの戦績では先輩の中野が後塵を拝する形。この試合も上谷が王者で、中野は奪回を目指す挑戦者の立ち位置だ。とはいえ、敗者引退が突きつけられているとあってどんな試合になるのかまったく予想がつかない。それだけにこれまでの戦績は参考にならないかもしれない。いずれにしても勝った方がチャンピオンで負けた方がリングを去る。まさに究極の天国と地獄…。観る者はどんな結末も受け入れなければならないのか?
上谷がH.A.T.E.のセコンドを退場させる。ゴングが打ち鳴らされても両者コーナーから動かず。ゆっくりと歩を進め、上谷が睨みつける。視殺戦から中野がエルボー、上谷がタックルでグラウンドへ。中野はネックロックとともにグラウンドをコントロール。上谷が髪をつかみヘッドロック。中野がヘッドシザーズ、上谷が上になりカバー。中野はブリッジで返すがスピンキックをかわされる。睨み合いからあらためてロックアップ。中野がバックドロップで場外に送り出すと、コーナーへ。上谷が追いつき、エプロンへデッドリードライブ。上谷は中野を場外へ連行。コーナーに振り合い、上谷がエルボー、ニールキック。ベルトを持って本部席の上でアピールすると、リング下からチェーンを持ち出す。上谷はレフェリーを突き飛ばし、中野の首にチェーンを巻きつけコーナーで絞首刑、イスをリングに入れて中野の生還を待つ。中野が戻るとイスに叩きつけ、ドロップキック、フェースロック、首4の字固め。中野がエスケープするとエルボー連打、上谷がリバースDDT。中野がスピンキック、宙吊りスリーパー、場外へプランチャ。花道疾走も上谷が足を出して阻止、スタークラッシャー狙い。中野が花道でバイオレットシューティング。リングに戻りエプロンで中野がタイガー、上谷がフランケンで場外に叩きつける。上谷が中野を引き起こし、コーナーからミサイルキック。スープレックスを3連発も中野が返す。中野がバックにまわりジャーマン。上谷が後方から丸め込むフランケン。15分経過。上谷がもう一度後方からフランケン。中野がバックを取ると強引にジャーマン。上谷が返すと、中野はコーナーに上がるが、上谷が追いつき雪崩式フランケン。中野が返すと、上谷がスタークラッシャーを決める。返した中野に上谷はフィニッシュを宣言しコーナーへ。フェニックスと思われたが一瞬躊躇、中野が追いつき雪崩式タイガー。上谷がフットスタンプ。両者ダウン状態。中野は上谷を見つめる。髪をつかみ合い立ち上がると中野が張り手、上谷もやり返す。張り手の打ち合いから上谷が連打。中野がトラースキック、上谷がニールキック。スピンキックが交錯。中野がバックドロップ。20分経過。上谷がフランケン。中野が抜け出しバイオレットシューティング4連発。しかし、上谷の肩が上がる。中野がバイオレットスクリュードライバーを滞空時間をとって決めると、トワイライトドリーム。上谷が返すと、バックを取られずにヘッドバット。中野がヘッドバットを打ち返し、2人がヘッドバット。中野がタイガー、上谷が1カウントで返しスープレックス。中野が1カウントで返すと上谷のスタークッシャーを切り返して逆にスタークラッシャーを決める。上谷がすぐに返すと上谷がバイオレットスクリュードライバー。上谷がカウンターのビッグブーツ、スタークラッシャーを旋回式で決める。25分経過。上谷は2カウントで引き起こし、両手を取ってカミゴエ。しかし、中野の肩が上がる。上谷がバックを取りトワイライトドリーム。3カウントが入り、上谷が中野を破った。
上谷「中野たむの、すべてを奪ったぞー! でも、なんか苦しいな。全部、こうなったのもオマエのせいだからな。オマエのせいで、私はプロレスラーになった。オマエのせいで、ケガもした。オマエのせいで、強くなった。オマエのせいで、オマエを引退させることになった! 全部、全部、全部オマエのせいだからな! でも、今日、オマエのすべてを奪ってわかった。私は、オマエのことが大好きだ。プロレスを自分が始めたとき、真っ暗で生きる希望がなかった私に、希望の光をくれたのもたむだった。私が真っ黒に染まったときも、ずっと信じてくれてたのは、中野たむ、 アンタ一人だけだった! 私にとってアンタは光り輝く一番星だよ」
中野「(上谷の)汚い顔。上谷さ、不器用すぎでしょ。愛を忘れたんじゃなかったんだね。こんな不器用で泣き虫で、メイクもおかしい後輩のせいで、大変な思いしたけど、でも、たむはあなたがいたからここまで生きられた。全部おかげで闘えた! ごめんね。ありがとう。上谷、アナタはさ、これから中野たむの呪いを、一生背負って生きるんだよ。ここにいるみんなもそう。なんで笑うの? 全員、たむのことを一生忘れちゃダメだからね!」
上谷「背負うわけねえだろバーカ! ブース! おたんこなす! くそったれがー! そんな重いもん背負わすんじゃねえよ! でも、オマエに出会えて私はここまで強くなれた」
中野「上谷さ、最後に一つだけ聞いてもいい? プロレスラーになって、よかった?」
上谷「もちろん。アンタに出会えて幸せだよバーカ!」
中野「たむも、宇宙一幸せなプロレスラー人生だった!」
2人が抱き合って涙。上谷はマイクなしで「ありがとうございました。私の人生が全部、変わりました。何もできなかった私だったけど、ここまで立てることができました。ありがとうございました」。中野がなにやら小声でつぶやき、再びマイクを取る。
中野「今日だけはさ、一緒に帰らない?」
上谷「最初で最後だな」
両者が揃って花道を退場し、バックステージに姿を消した。