『レック Presents スターダム10周年記念~ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA~』
3月3日(水)日本武道館(観衆3318人=満員/コロナ対策限定人数)
試合結果
◆プロローグファイト第1試合 ハイスピード選手権試合 30分1本勝負 |
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<挑戦者> |
7分41秒 |
<王者> |
なつぽい |
AZM |
※第19代王者のAZMが5度目の防衛に失敗。なつぽいが第20代王者となる
◆プロローグファイト第2試合 ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者組> |
7分15秒 |
<王者組><挑戦者組> |
○舞華 |
刀羅ナツコ |
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ひめか |
鹿島沙希● |
※第20代王者組の舞華&ひめかが初防衛に成功
◆レック Presents スターダム10周年記念~ALLSTAR DREAM CINDERELLA~ 時間無制限 |
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ウナギ・サヤカ |
35分1秒 |
愛川ゆず季 |
〈出場選手〉ビー・プレストリー、白川未奈、ウナギ・サヤカ、スターライト・キッド、飯田沙耶、ゴキゲンです☆、レディ・C、長与千種、井上京子、下田美馬、松本浩代、さくらえみ、門倉凜、星月芽依、愛川ゆず季、美闘陽子、脇澤美穂、美邑弘海、まなせゆうな、はるか悠梨、コグマ、中西百重(予定)
※退場順…①レディ②ルアカ③京子④まなせ⑤下田⑥プレストリー⑦はるか⑧さくら⑨脇澤⑩松本⑪星月⑫門倉⑬飯田⑭長与⑮菊タロー⑯ゴキゲン⑰中西⑱美闘⑲キッド⑳コグマ㉑白川
◆10周年記念試合① 30分1本勝負 |
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高橋奈七永 |
10分21秒 |
渡辺桃 |
◆SWA世界選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者> |
8分19秒 |
<挑戦者> |
朱里 |
小波 |
※第7代王者の朱里が4度目の防衛に成功
◆10周年記念試合② 30分1本勝負 |
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岩谷麻優 |
15分9秒 |
世志琥 |
◆ワールド・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者> |
15分46秒 |
<挑戦者> |
林下詩美 |
上谷沙弥 |
※第13代王者の林下詩美が3度目の防衛に成功
◆ワンダー・オブ・スターダム選手権試合~敗者髪切りマッチ~ 時間無制限1本勝負 |
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<挑戦者> |
18分57秒 |
<王者> |
中野たむ |
ジュリア |
※第14代王者のジュリアが7度目の防衛に失敗。中野たむが第15代王者となる
試合詳細レポート
◆プロローグファイト第1試合 ハイスピード選手権試合 30分1本勝負 |
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<挑戦者> |
7分41秒 |
<王者> |
なつぽい |
AZM |
※第19代王者のAZMが5度目の防衛に失敗。なつぽいが第20代王者となる
スターダムが旗揚げ10周年で日本武道館に進出。オープニングを飾るのはAZMvsなつぽいのハイスピード王座戦だ。AZMは昨年7・26後楽園での3WAY戦に勝利し、ハイスピード初戴冠。以来、4度の防衛に成功してきた。そして今回、なつぽいが初めてこのベルトに挑戦する。最近のなつぽいはイリミネーションマッチで2度にわたりAZMを退場させているが、試合を決するものでなかったこともありインパクトは薄いといわざるを得ない。ゴッデス・オブ・スターダム王座取りにも失敗し、前哨戦でもAZMからギブアップ負けを喫してしまった。それだけにAZMは余裕綽々。この試合を長期政権における通過点と考えている。なつぽいは、「自分を信じて」新技フェアリアル・ギフト(側宙プレス)をAZMに見舞うつもりだが…。
ゴングとともに突進し、ハイスピードな攻防を展開。ドロップキックをかわし合うと、丸め込みの応酬からドロップキックの相打ち。なつぽいが手を上げて誘うと、逃れたAZMがコーナーへ。なつぽいが落としてコーナーに上がるがAZMが上がってハイキックで場外に落とす。AZMはリング下へのダイビングフットスタンプ。リングに戻すと、スワンダイブ式ミサイルキックからワキ固め。AZMが挑発し、なつぽいがエルボー。AZMがやり返すと、なつぽいが顔面への低空ドロップキック。なつぽいがコーナーからダイビングボディーアタック。AZMが反転、カバーして腕を固める。AZMはフィニッシュを宣言し、ダイビングフットスタンプ。なつぽいが返すと、AZMがミスティカ式ワキ固め。もう一度コルバタで飛びついて腕を取る。なつぽいがエスケープすると、AZMの三角飛びを迎撃。AZMがエルボーにいくと、なつぽいも応戦。AZMが突進すると、なつぽいがトラースキックからバックラッシュ。なつぽいがジャーマンを高角度で決めるが2カウント。なつぽいはコーナーに上がり、フェアリアルギフト。しかし、ギリギリでAZMが返す。なつぽいがバックを取るが、AZMがこらえて丸め込みの連続。なつぽいが返すともう一度丸め込む。なつぽいがマヒストラル。返されるとトラースキックからフィニッシュ宣言。バックを取りジャーマンをロコモーション式で3発。これもAZMがクリアーに成功。なつぽいがクロスアーム式ジャーマンにいくとAZMが返せず、3カウントが入った。試合後、なつぽいが握手を求めるとAZMが応じた。
なつぽいのコメント
「(涙を流しながら)ありがとうございました。奇跡は実力がないヤツじゃなくて、自分を信じて、信じて、信じ抜くヤツにだけ訪れるのが奇跡。私はこのリングで夢を見させてあげます。絶対このベルトを守り続けて、もっともっと上に駆け上がってやる。なつぽいことなつぽいでした」
AZMのコメント
「負けたよ。なつぽいから負けました。やっぱりなつぽい、強いんですよ。やっぱりくすぶってる選手じゃない。それがお客様にもわかったかなと思います。でも、私が巻いてハイスピード戦線盛り上がりました。私色に染まったハイスピード、なつぽいがどう楽しませてくれるのか楽しみですね。ハイスピード第1章は終わりましたが、これからの私の第2章、楽しみにしてて下さい」
◆プロローグファイト第2試合 ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者組> |
7分15秒 |
<王者組><挑戦者組> |
○舞華 |
刀羅ナツコ |
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ひめか |
鹿島沙希● |
※第20代王者組の舞華&ひめかが初防衛に成功
2・14後楽園で、ひめかが3度目のベルト挑戦にして遂にタイトル奪取に成功。舞華とのコンビではゴッデス・オブ・スターダム王座2度目の挑戦で、悲願を達成した。そして迎える初防衛戦の相手は、刀羅ナツコ&鹿島沙希の大江戸隊だ。ビー・プレストリー&小波組に続き、連続でDDMvs大江戸隊の図式となる。ナツコ&鹿島組がユニットへのベルト奪回をもくろめば、舞華&ひめか組が狙うは長期政権。スケールの大きい舞華&ひめか組と、ラフファイトで勝機を見いだす大江戸隊、タイプの異なるチームの激突で、スリリングな攻防が期待できそうだ。
ナツコが鉄パイプ、鹿島がイスを持参。ベルトが返還されると大江戸隊が襲い掛かり試合開始、場外から舞華を戻してダブルで攻撃する。ナツコのセントーンから鹿島がフットスタンプ。舞華が返すと鹿島がビッグブーツ。ナツコが舞華に顔面ウォッシュ。ひめかが後方からナツコをカットしリングイン。ショルダータックルのぶつけ合いで、ひめかが打ち勝つ。大江戸隊がダブルでひめかを串刺し攻撃。かわしたひめかがまとめてアルゼンチンバックブリーカー。ひめかがナツコにジャンピングニー。舞華がナツコに柔道技の連続攻撃。ナツコが返すと、舞華がラリアット。鹿島がコーナーからネックブリーカー。鹿島はコーナーに振ってニーアタック、丸め込み。ナツコがひめかの顔面をかきむしる。ナツコはひめかにキャノンボール、バックフリップ。鹿島がダイビングフットスタンプ、ナツコがフロッグスプラッシュ。ナツコが昇天を見舞うが舞華がクリアー。ひめかがラリアットもナツコがかわして鹿島のビッグブーツを呼び込む。鹿島が舞華にコルバタ、ひめかが鹿島をカット。しかし王者組のラリアットが同士討ちに。鹿島がコーナーに上がると舞華が追いつき雪崩式ブレーンバスター。腕をクロスして叩きつけるがカットされる。王者組がサンドイッチラリアットを連発。鹿島が返すと、舞華が担ぎ上げるが鹿島が起死回生。王者組がナツコにダブルのチョークスラム。舞華が鹿島にみちのくドライバーⅡ。鹿島が返せず舞華が3カウントを奪った。
舞華&ひめかのコメント
ひめか「初防衛ということで。この日本武道館、女子プロレスで24年ぶり。そんな記念すべき日本武道館にゴッデスの王者として、舞ひめで立つことができてとても嬉しいです」
舞華「まぁ、今日は大江戸隊と初防衛戦やったけど、まだまだ私たちには出してない2人の技があるんで。次、防衛する時はその技をお出しできたらなと思っております」
◆レック Presents スターダム10周年記念~ALLSTAR DREAM CINDERELLA~ 時間無制限 |
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ウナギ・サヤカ |
35分1秒 |
愛川ゆず季 |
〈出場選手〉ビー・プレストリー、白川未奈、ウナギ・サヤカ、スターライト・キッド、飯田沙耶、ゴキゲンです☆、レディ・C、長与千種、井上京子、下田美馬、松本浩代、さくらえみ、門倉凜、星月芽依、愛川ゆず季、美闘陽子、脇澤美穂、美邑弘海、まなせゆうな、はるか悠梨、コグマ、中西百重(予定)
※退場順…①レディ②ルアカ③京子④まなせ⑤下田⑥プレストリー⑦はるか⑧さくら⑨脇澤⑩松本⑪星月⑫門倉⑬飯田⑭長与⑮菊タロー⑯ゴキゲン⑰中西⑱美闘⑲キッド⑳コグマ㉑白川
20名以上の選手が時間差バトルロイヤルで激突。入場順はテーマ曲がかかった時点でわかる仕組みになっている。スターダム(ビー・プレストリー、白川未奈=復帰戦、ウナギ・サヤカ、スターライト・キッド、飯田沙耶、ゴキゲンです☆、レディ・C)、他団体OG(長与千種、中西百重)、他団体(井上京子、下田美馬、松本浩代、さくらえみ、門倉凜、星月芽依)スターダムOG(愛川ゆず季、美闘陽子、脇澤美穂、美邑弘海、まなせゆうな、はるか悠梨、コグマ)が時空と団体の垣根を越えて入り乱れるバトルロイヤル、最後に勝ち残るのはいったい誰だ!?
キッドvs星月で試合開始。キッドが飛びついて丸め込むと丸め込みの応酬。3番目に入場はゴキゲン。キッドと星月のエルボー合戦中、ゴキゲンが四方にアピール。キッドとゴキゲンが星月を捕獲すると4人目の中西が登場。中西がコーナーに上がるとキッドがゆすって落下させる。5人目はコグマ。6人目はウナギ。キッドをコーナーに追い込み全員が串刺し攻撃。7人目は飯田でリングインするなり逆水平を次々と浴びせていく。8人目は白川。白川はキッドにフライングクロスチョップ、吊り天井、ネックブリーカー。9人目にまなせ。10人目、さくら。11人目、レディ・C。レディは中央で仁王立ち。さくらが横に立ち髪を分けるポージング。そこへレディが襲い掛かる。12人目は京子。さくらがロープを引いて京子を迎え入れるが多くの選手が襲い掛かる。京子をコーナーに追い込み次々と串刺し攻撃。レディがアシストを得て京子にチョークスラム。13人目にルアカ。レディが退場第1号に。ルアカが京子のラリアットを食らい退場する。14人目が門倉。押さえ込まれた京子が退場。15人目、松本。16人目、脇澤。脇澤の入場には岩谷と松本がつく。たわしーずが復活し、たわしが公認凶器として認められる。17人目は下田。まなせがOTRで退場。18人目にプレストリー。19人目はるか。下田が退場。プレストリーが退場。20人目、美邑。はるかが退場。脇澤のベノムアームを食らった美邑がシャウトを狙うも松本のたわし殴打を食らう。21人目は美闘。脇澤が雪崩式フランケン。さくら、脇澤が退場。22人目が愛川。松本が退場。星月退場。門倉退場。BI砲がエプロンで勢揃い。23人目にマスクをつけた長与千種。長与がリングインすると、飯田が背後から睨み付けて両腕を組んで挑発、エルボーを打ってこさせる。「あっと驚く24人目」として、なぜか菊タローが登場。飯田がフライングクロスチョップを長与に放ちカバー。長与のアームロックで飯田が退場。長与を選手たちが取り囲む。愛川がガウンを脱いで長与と対峙。長与が手を差し出すと愛川がローキック連打。ゆずポンキックを長与がカット。しかし愛川がコーナーに振ってパイパイアタック。選手たちが次々と串刺し攻撃。BI砲の正拳突きとかかと落としが炸裂。全員で覆い被さるが長与が返す。愛川が長与を挑発。かかと落としをかわされるも白川とウナギが押さえ込んで長与を失格にする。菊タローはリングサイドをうろうろ。菊タローがリングインすると選手が逃げ回る。菊タローはウナギにブレーンバスターの構え。白川が襲い掛かると菊タローは2人まとめて覆い被さる。キッドがカットするが、菊タローが張り手。菊タローはエプロンに立つ長与に気づく。菊タローが長与に謝罪と見せかけ胸を掴む。長与は苦笑いしリングイン。長与のエルボーから選手たちが一斉に菊タローを攻撃。中西が菊タローにモモ★ラッチで退場させる。30分経過、中西がムーンサルトアタックからゴキゲンを退場させる。キッドがドロップキックで中西がOTR退場。コグマが美闘にDDT、キッドとコグマがバックの取り合い、美闘がドールB。しかし美闘はOTR退場に。つづいてキッド、コグマも退場。愛川がウナギに回し蹴り。白川とエルボーの応酬。白川がドロップキックも愛川がかわしてかかと落とし。愛川がバックを取るとウナギが妨害。白川がバックを取りウナギが突進も愛川がカットしタイガーで白川退場。ウナギが愛川をエプロンに出す。愛川がエプロンでウナギに蹴りの連発。ゆずポンキックをウナギがカットしかかと落とし。もう一発かかと落としを決めると愛川が転落。最後に残ったのはウナギだった。
ウナギのコメント
「ありがとうございました。レジェンドがたくさん出るリングで勝ち残れて本当に嬉しいです。スターダム10周年ということで、わたしはまだスターダムに上がらせてもらって4カ月なんですけど、これから11年以降のスターダムを作っていけるようにしっかり頑張っていきたいと思います。みなさんぜひぜひ、応援をよろしくお願いします」
――レジェンドたちとぶつかってどうだった?
「いやー、本当に夢見たいですね。きょうはこんな名だたる人たちが集まるリングを用意してくれたたくさんのオトナたちに感謝します。また、レジェンドの方たちがいなくてもたくさんの人たちを集めれるように、わたしたちももっと頑張っていきたいと思います」
――七番勝負の成果は出せた?
「七番勝負が終わりまして、とてもスッキリしていまして。とにかくきょうは楽しもうと思ったので、スゴく楽しめました。白川未奈も復帰したので、COSMIC ANGELSで頑張っていきたいと思います」
愛川のコメント
「8年ぶり近くのリングだったんですけど、正直に言うと思ったよりも楽しかったです。81日間、主婦としてこの日のリングのために、1日限りのために、一生懸命トレーニングしてきたんですけれども、やっぱり現役のときと一番違うのは結婚をして、子どもを産んでってことなんだと思うんですけど、あのときとは練習一つにしろ、たくさんの方々の協力がないとできませんでした。家族はもちろん、旦那さんのお母さんだったり、保育園の先生だったり、たくさんの人に協力をしていただいて、きょうこの日を迎えることができたので、当時より感謝の気持ちがめちゃくちゃ大きくなりました。この10周年で武道館で、なにより小川さんが笑顔になってくれたらわたしはそれで満足です。ありがとうございました。ただ、最後に、絶対に勝ってやると思って、臨んだんですけれども…帰ってウナギでも食べようかなって思います。悔しいです」
――ゆずポンキックの感触は?
「そうですね、もう無我夢中でやってたので、ちょっとまだ客観的には見れてないんですけれども、自分的にはいいゆずポンキックができたんじゃないかなと思ってます」
――長与はどうだった?
「なんか…そうですね、まさか対面できるチャンスが訪れると思わなかったので、ここぞとばかりに自分からいったんですけれども、なんかゾクゾクしました」
――武道館の舞台はどうだった?
「一度出させていただいたことはあるんですけれども、こんな華やかな舞台に立たせていただいて。このリングが決まる前までは、産休育休でSNSの更新すら止まってたぐらいだったんですよ。忙しすぎて。なんですけれども、息子が保育園決まって、お仕事をさせていただいてっていう、その喜びが感謝の気持ちとともにあって、ただの主婦がこの武道館という舞台に立てたっていうのは、わたしが2年半頑張ってプロレスラーとして闘ったご褒美だったんじゃないかなと思ってます」
――武道館で聴いた『パイレンジャー』はどうだった?
「最高でした。すっごく思い出がある曲ですし、子どもを産んで母になってもパイレンジャー、最高じゃないですか。大好きです。聴いてくださった方も、当時をちょっとでも思い出してくれてたら嬉しいなって思います」
◆10周年記念試合① 30分1本勝負 |
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高橋奈七永 |
10分21秒 |
渡辺桃 |
スターダムの渡辺桃と、元スターダムでSEAdLINNNGの高橋奈七永が一騎打ち。昨年12・26後楽園のエンディングで突然、奈七永と世志琥が登場。スターダムに喧嘩を売った。これに反応した1人が、奈七永のスターダム最後の相手だった桃である。桃はSEAdLINNNGの2・10新木場に参戦(奈七永&中島安里紗組vs桃&飯田沙耶組)するも、敗れてしまう。遺恨は拡大し、18日の会見ではつかみ合いに…。桃は「世代交代をしなければいけないなと思ってます。私が時代を変えます」と宣言しているが…。
ゴングが鳴っても両者動かず。ゆっくりと歩を進めて中央で睨み合い。桃が張ると奈七永も張りかえして張り手の打ち合いから髪の毛をつかみ合う。奈七永がコーナーに追い込みエルボー連打。桃がかわして右ハイキックからエルボー乱打。奈七永がバックドロップからエルボー連打、レフェリーの制止を振り切る。奈七永はサッカーボールキック。桃がお返しのサッカーボールキック。桃のキックを掴んで奈七永がドラゴンスクリュー、レッグロック、顔面を踏みつける。串刺しラリアットを決めるも2発目は読まれてドロップキックを食らう。桃はもう一発串刺しでドロップキック。さらに連打しミドルキックも連打する。奈七永がヘッドバットの乱打、桃がエプロンでダウン。奈七永が顔面を蹴っていくと至近距離でのラリアット乱打。カナディアンで担ぎ上げてマットに叩きつけるが桃が返す。奈七永が突進すると桃がハイキックからエルボー乱打。エルボーの打ち合いから桃がハイキック、蒼魔刀。コーナーからも蒼魔刀を決めるが2カウント。桃はチキンウイングフェースロック。奈七永がエスケープすると、奈七永はパワーボム狙い。桃が切り返してBドライバー。しかし奈七永がすぐにBドライバーを放つ。奈七永が延髄斬りから冷蔵庫爆弾。桃がかわしてダイビング式蒼魔刀。奈七永が返すと、桃がコーナーへ。奈七永が追いつき、雪崩式ブレーンバスター。奈七永は冷蔵庫爆弾を投下するが、桃がクリアー。奈七永が担ぎ上げると桃が切り返してドラゴンスープレックス。桃がテキーラを狙うが奈七永が切り返す。桃はハイキックもラリアットを食らう。奈七永がナナラッカを放つが2カウント。10分経過。奈七永がワンセコンドEXで叩きつけると、桃が返せず3カウントが入った。奈七永が握手を求めると桃はそれを払いのけた。
奈七永のコメント
「スターダム10周年、私なりに盛大にお祝いさせていただきました。渡辺桃を目覚めさせること、それが私の課題だったと思うんですけど、前回SEAdLINNNGでタッグで当たったときよりも数倍良かったですね。出し惜しみすんなって、渡辺桃! 1回1回、その瞬間で終わるかもしれないんだ、私の命は。だからやってんだよ、プロレスを。もっともっと生きたくて、輝きたくてやってるんだろ。プロレスを。だったら、その瞬間瞬間をムダにせずに、100%、200%、1000%、パッションを出し続けないとダメでしょ。プロレスラーなんだから。そう思いますよ。今日はいいケリももらったし、私的には満足。満足だけど、せっかく売りにきたケンカ、コレで終わっちゃうのか、どうなるのかわかんないけど、この結果に納得いかないヤツはいるのかな? いないのかな? 私は関係ないと思うのかな? プロレスラーとして、次に向かってきてくれるヤツがいることを願います。次、世志琥出てくるからいいバトンを渡せたと思うので、岩谷から絶対勝ってほしいと思います。スターダムこんなもんかって。こんなもんかって。こんなもんかってことですよ! 辞めてから6年経ちました。その間、渡辺桃も頑張ってきたんだろうと思う。でも、私も頑張ってきた。私も生きてきた。その結果だと思います」
――また誰か向かってきてくれる相手がいてほしい?
「いてほしいよね。なんで負けたのにさ。スターダムの結構上の方じゃないの? もう渡辺桃も廃れた? 下から数えた方が早いの? もし誰もこないんだったら、そういうことだよね。でも武道館でこうやってシングルマッチを組まれて、この試合をほかの選手たちがどう思ってるのか知りたいですね。私はいつでもウェルカムですよ。この体が動く限りは」
◆SWA世界選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者> |
8分19秒 |
<挑戦者> |
朱里 |
小波 |
※第7代王者の朱里が4度目の防衛に成功
朱里がSWA世界王座4度目の防衛戦で迎え撃つのは愛弟子の小波である。REINA時代、朱里は小波と師弟関係にあった。しかし紆余曲折あり、両者は離ればなれに。それでもスターダムのリングで再会し、小波は朱里参戦当初からシングルでの対戦を心待ちにしていた。やがて小波は大江戸隊にユニットを移籍し、DDMの朱里はスターダムに入団、所属選手となった。そして、団体初進出となる武道館大会で待望の一騎打ちが実現する。
ゴングが鳴らされると両者慎重に歩を進めグラウンドへ。朱里がマウントを取り腕十字狙い。小波が腕十字に切り返すが朱里が上になる。すぐに小波が切り返してスライディングキック。朱里が場外に落ちると小波はセコンドに手を出させずリングに戻す。小波はドロップキックからカバーも朱里が返す。するとすぐに小波がワキ固めから腕十字を狙う。小波は腕固めに取るが朱里が切り返してヒールホールド。小波が切り返してヒールホールドから上になる。朱里が返すと小波が飛びついて腕を固める。小波は両腕をロック。朱里がロープに逃れると小波がキックの連打。朱里が投げっぱなしジャーマン、小波がエクスプロイダーからスリーパー、後方に投げつける。朱里が返すと、小波はハイキック。朱里がキャッチし山折り、小波がビッグブーツで両者ダウン。小波がエルボー、朱里もやり返しエルボーの打ち合い。ローキックも打ち合い、朱里がニーアタック。小波が返すと、朱里はフロントネックロック、ロープに乗せてDDT。小波が返すと、飛びつき腕十字。朱里が上になりストレッチマフラー。小波がエスケープすると、朱里は担ぎ上げてマットに叩きつける。小波が腕を取るがエスケープを許す。朱里の突進を小波が飛びついてアームロック。朱里が切り返しストレッチマフラーから腕も決める新技・白虎。小波がギブアップし、朱里が防衛した。試合後、朱里は小波を引き寄せてハグ。
朱里のコメント
「SWA防衛しました。小波、リングで向かい合って、ものすごい成長を感じて、すごく嬉しくなりました。もっともっと試合をしたい。小波となら、もっともっといろいろできるなって。いつかスターダムでまたこうやって。一緒になることができたので。私としては闘うだけでなく、一緒に組んだり。前みたいに、そういう日がきたらものすごく嬉しいなって思ってます。SWAのベルト、コロナで外人選手となかなかできないですけど、コロナ明けたら色んな強い外国人選手とやって、このベルトの価値を高めていきます。そして、もちろん赤いベルトも私は狙ってます。この腰に、私が必ず巻きます。注目しててください。
――今日のフィニッシュは?
「今日出したのは、最後の技、白虎です」
――これで四神が揃った形?
「揃いました。いま関節ではフィニッシュを取れるので、他のも高めていくためにもっともっと技を磨いていきたいと思います」
◆10周年記念試合② 30分1本勝負 |
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岩谷麻優 |
15分9秒 |
世志琥 |
スターダムの旗揚げメンバーである岩谷麻優と世志琥(スターダムでのリングネームは世Ⅳ虎)が、10周年記念大会で6年ぶりの再会、一騎打ちで激突する。15年2月の凄惨試合以降、世志琥は引退し1年後にSEAdLINNNGで復帰、岩谷は徐々にスターダムの中心選手となり、団体を象徴する「アイコン」と呼ばれるまでになった。そして今回、まさかの対戦が実現することに。この試合によって2人の空白が埋まるのか、それとも…。
世志琥はSEAdLINNNGのベルトを掲げてコールを受ける。岩谷の投げたボールをセコンドの奈七永がキャッチ。岩谷が歩を進め手を差し出す。世志琥はゆっくりと前進し中指を突き立てると岩谷は笑顔。ゴングが打ち鳴らされ、睨み合い。岩谷が誘う形で手四つ、と思いきや、両者離れる。ロックアップで一気に組合い世志琥が追い込んでブレイク。岩谷がアームホイップを狙うが世志琥がこらえて反対に投げつける。世志琥が馬乗りになってカバー。髪を掴んでマットに叩きつけると顔面ウォッシュ。岩谷が返すと、世志琥はフェースロック。岩谷がエスケープすると世志琥がダブルニードロップ、サッカーボールキック。背中へのキックを連打し全体重を乗せていく。片足でカバーするが岩谷がクリアー。世志琥は腕を取って卍固め。岩谷がなんとか逃れようとするが世志琥は足もロック。それでも岩谷がエスケープ成功。岩谷がコルバタから低空ドロップキック。場外に出た世志琥へ、岩谷はトペスイシーダ。岩谷は頭を押さえながら立ち上がり、ダウンの世志琥をリングに戻す。5分経過、岩谷はコーナーからミサイルキック、引き起こすとフルネルソンの構え。世志琥がこらえると岩谷が突進、世志琥は風車式バックブリーカーから逆片エビ固め。中央に戻して締め上げる。岩谷がエスケープすると、世志琥がセカンドからセントーン投下。もう一発セカンドから決めるが2カウント。世志琥はフィニッシュを宣言し岩谷を引き起こす。担ぎ上げると岩谷が反転して丸め込むフブキラナ。ドドンパも放つが世志琥がクリアー。岩谷は絶叫し世志琥を引き起こすとドラゴン狙い。世志琥がロープに逃れるが岩谷が強引に引っ張り中央へ。世志琥がかわすが岩谷がジャーマン。世志琥が仁王立ちも岩谷がドラゴン。世志琥が返すが両者ダウン状態。10分経過。世志琥が岩谷を起こしてエルボー。岩谷もやり返しエルボーの打ち合い。岩谷がダウンも立ち上がり向かっていく。世志琥がエルボー、岩谷がダウン。世志琥は笑みを浮かべてから仁王立ち。岩谷も立ち上がりエルボーで世志琥を倒す。世志琥がヘッドバットからラリアット連発。岩谷がすぐに返すと世志琥が前方に叩きつける。岩谷が返すと、世志琥はコーナートップからダイビングセントーンを決める。しかし岩谷が返してみせる。世志琥は呆然。岩谷を引き起こし、両手を取ってニー。かわして岩谷が丸め込む。返されるとトラースキック連打。岩谷がもう一発蹴りをぶち込むが世志琥の手がロープに届く。岩谷は世志琥を引き起こしバックを取る。二段式ドラゴンを決めるが世志琥の肩が上がる。岩谷はトップからムーンサルトプレス。3カウントが入り岩谷の勝利となった。
岩谷「世志琥、世志琥、SEAdLINNNGの世志琥、6年ぶり、試合してくれてありがとう。『6年前と、何も変わってない』って言おうと思ったけど、メチャクチャ、やっぱり強かった! 世志琥、何回も心折れそうになったけど、自分はスターダムのリングで10年間やってきた。世志琥、世志琥ちゃんもSEAdLINNNGのリングでずっと引っ張ってきた。いままでは別々の道だったかもしれないけど、これからは違う、一緒の未来っていうのを、自分は味わってみたいなと思いました。本日は、この日本武道館という舞台で、世志琥ちゃんと、いえ世志琥選手と闘えてよかったです。ありがとうございました」
世志琥「ガンちゃん、ガンちゃんじゃない。岩谷。オメエ、強くなってんじゃねぇかよ。マジで悔しいけど、これがお前がアイコンって呼ばれる、その理由が今日、この武道館で岩谷麻優とシングルをやって、わかった気がしました。でも、同期…、ウチの同期はスターダムにお前しかいないんだよ。ウチが生まれたこのスターダムに、お前しかいないんだよ。だから、ウチはこれからもお前との未来をこの先もずっとつなげていきたい。今日は負けたけど、このままで終わると思うなよ。そこんとこヨロシク」
2人は握手
岩谷「世志琥、世志琥、SEAdLINNNGの世志琥。6年ぶりに試合してくれてありがとう。6年前となにも変わってないといおうと思ったけどメチャクチャやっぱり強かった。何回も心折れそうになったけど自分はスターダムのリングでやってきた。引っ張ってきた。いままでは別々の道だったかもしれないけど、これから 味わってみたいなと思いました。本日はこの日本武道館という舞台で世Ⅳ虎ちゃんと、いや世志琥選手取った変えてよかったです」
世志琥「ガンチャン、ガンチャンじゃない岩谷。オメエ、強くなってるじゃねえかよ。マジで悔しいけどこれがオマエがアイコンて呼ばれるその理由がこの武道館でシングルをやってわかった気がしました。でも、同期、ウチの同期は、スターダムにオマエしかいないんだよ。ウチが生まれたスターダムにオマエしかいないんだよ。だからウチはオマエとの未来をこの先もずっとつなげていきたい。今日負けたけどこのままで終わると思うなよ。そこんとこよろしく」
岩谷が握手を求めると世志琥が応じてハグをかわした。岩谷はSTARSのメンバーに、世志琥はSEAdLINNNGのメンバーに支えられて退場した。
岩谷のコメント
「(倒れ込みながら)勝った! 勝った!! 10年間やってきたことが無駄じゃなかった。辞めなくてよかった。そのひと言だけ…」
世志琥のコメント
「ありがとうございました。スターダム10周年の日本武道館で試合する。そのなかで自分が岩谷とシングルをできたのもホントに、なんて言うんですかね、奇跡、奇跡だと思うし、なんだろう? 岩谷にも、自分はやめてからホントに一切試合とかも見てなかったし、あんなに強くなっているとは正直思ってもなくて、ビックリしたんですけど。お互い、別々の道をいままで、この6年くらい歩んできて、やってきたことも、お互い違うと思うし。でも自分はそのなかでも自分なりにやっぱりいろんなところでいろんな経験積んでやってきたという自信があったので、今日もホントに負けるつもりは一切なかったんですけど、でも、なんだろうな? 今日はホントに正直ホントに負けて悔しいけど、なんかその、勝ち負けじゃない部分っていうのも自分のなかにはあって、それがけっこうでかくて、岩谷から試合後にああいうマイクを言ってくれて、自分も今日岩谷と試合して、すごい思ったし、ホントにやめなくてよかったなってあらためて思ったし、自分には最高の同期がまだまだ日本に、そしてスターダムにいるんだなって、あらためて思い知らされました。今日の収穫は自分のこの10年間のなかですごい大きいものだったと思います。だからこそ、ここで終わらせたくないし、ここからつながるものを作っていけばもっともっと明るい女子プロレスを見せられると思うので、ハイ。今日は、岩谷とシングルマッチできて…うれしかったけど、このままですむと思うなよ。そこんとこ、よろしく」
◆ワールド・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負 |
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<王者> |
15分46秒 |
<挑戦者> |
林下詩美 |
上谷沙弥 |
※第13代王者の林下詩美が3度目の防衛に成功
赤いベルトのタイトルマッチはセミファイナルに組まれた。王者は林下詩美で、挑戦者は上谷沙弥。クイーンズクエストの同門対決である。詩美は昨年11・15仙台で岩谷麻優からワールド・オブ・スターダム王座を奪取。以来、渡辺桃、舞華を破り2度の防衛に成功してきた。上谷とはゴッデス・オブ・スターダムのベルトを巻いていたが、挑戦表明を受けて今回の同門タイトルマッチが実現。前哨戦では上谷が詩美から直接フォールを奪ってみせた。果たして、上谷が未来のスターダムを体現するか、それとも詩美が盤石の防衛を果たすのか。スターダム最高峰王座の行方は?
睨み合いから握手をガッチリかわしてゴング。ロックアップで組み合い、力比べ。詩美が押し込んでブレイクも上谷がすぐに腕を取る。腕の取り合いから上谷がバックに回る。詩美がヘッドロックも上谷がロープに振ってロープワークに誘う。しかし詩美がかわしてドロップキック。詩美がボディースラムを連発。上谷が返すと、詩美が背中にスライディングキック、ダブルニードロップ。上谷が返すと、詩美はキャメルクラッチ。上谷にエスケープさせずにそり上げていく。しかし上谷が必死にエスケープ。詩美は顔面を蹴り飛ばしてボディースラム。上谷は「なめんな!」と絶叫しエルボーも詩美がやり返す。詩美が突進すると上谷がドロップキック。しかし詩美がかわしてみせる。詩美の突進に上谷は「なめんな!」とドロップキックのカウンター。エルボーを打ち合い上谷がフランケンシュタイナー。詩美がリング下に落ちると、上谷はノータッチトペコンヒーロ。上谷は詩美をリングに戻し、ミサイルキック。詩美がエルボーをぶち込めば、上谷もやり返していく。上谷が崩れ落ちる。詩美がエルボー連打、上谷が起き上がりエルボーの打ち合いに。詩美が突進しようとすると上谷がドロップキック。詩美が返すと、上谷がフィッシャーマン狙い。詩美がアルゼンチンで担ごうとすると上谷が丸め込む。詩美が持ち上げようとすると上谷がカナディアンデストロイヤー、フィニッシュを宣言しコーナーへ。しかし詩美が追いつき、コーナーから落とす。上谷がスワンダイブ式コルバタから丸め込む。詩美が返すと、上谷はフィッシャーマン狙いからノーザン。詩美が返すと10分経過。上谷が詩美にスタークラッシャー狙い。詩美がジャーマンで切り返す。詩美がアルゼンチンから旋回、上谷が切り返してニールキック、スタークラッシャーを決める。カバーにいくが詩美の肩が上がる。上谷はボディースラムからフィニッシュを宣言しフェニックススプラッシュ。しかし詩美がかわしてスリーパー。上谷がコーナーに押し当てて突進。詩美がエアレイドクラッシュを放つと両者ダウン。詩美が絡みついてスリーパー。上谷がエスケープすると、詩美は引き起こしてアルゼンチン、トーチャーラックボム。しかし上谷の肩が上がる。詩美はもう一度担ぎ上げてハイジャックバックブリーカー、しかし上谷が反転して丸め込む。15分経過。詩美が至近距離からラリアット。上谷が突進すると詩美がラリアット、上谷が一回転。詩美はカナディアンで担ぎ上げハイジャックバックブリーカーで旋回して叩きつける。上谷が返せず詩美が3カウントを奪ってみせた。
詩美「上谷、すごい楽しかった、ありがとう。上谷とはスターダム黄金世代同士、これからも切磋琢磨していきたい。みなさん、お楽しみに。そして、今日防衛を成功して、次の防衛戦は…4月4日、横浜武道館でやりたいです」
ビー・プレストリーが登場。
「ハイ、ウターミー。そのべルトに挑戦するのは私よ。アナタはとても強い。けど、ちょっとショッパイ。でも、渡辺桃、どこにいる? イチバン、ショッパーイ、モモ! シー・ユー・スーン、バイバーイ、エンジョイ」
詩美「おい、ビー・プレストリー、オマエが何、言いってるのかまったくわからない。けど、この赤いベルト、挑戦したいのはそれだけはわかった。横浜武道館でベルト懸けて、ビー・プレストリー、オマエと勝負してやる。みなさん、11年目も12年目も私が作っていくスターダムの新時代、楽しみにしていてください。ありがとうございました!」
詩美のコメント
「上谷沙弥からこの赤いベルト、最高峰のベルトを防衛しました。私と上谷が創る新時代のスターダムの試合を皆さん、楽しんでいただけましたか? もちろん最後、ベルトを持って輝いていたのはこのスターダム新時代のリーダー、林下詩美です。これからも11年、12年、15年、20年、スターダムの歴史は続きます。私がスターダムをドンドン輝かせていくので、楽しみにしていてください。
――タイトル戦で闘った上谷は?
「上谷沙弥、ホントに口だけは達者な選手だなと思ってたけど、今日試合をして、私をすごく研究してきたのかなって感じはしましたね。私は気を抜いてたわけじゃないけど、何回もここぞというところで上谷に一杯食わされるところでしたけど。もちろん勝ったのは私なわけで。これからも隣に立って、上谷沙弥という未来のスターダム、スターダムの未来の希望の選手を育てていきたいなと思いました」
――武道館で上谷と闘えてよかった?
「はい。やってみて、武道館という大きな舞台で、このスターダム最高峰のベルトをかけて、私よりもキャリアの浅い上谷沙弥という選手と闘いができたというのはスターダム10周年大会、すごく大きい出来事だったなと思います。上谷とこの舞台、この状況、この時に、この場所で防衛戦ができて、すごく楽しかったです。
――プレッシャーを感じていたと思うが、挑戦者として不足はなかったと?
「もちろん。上谷、スターダム最高峰のベルトをかけて闘うにふさわしい未来のスターダムだと思います」
――武道館を経て、詩美もますます高みを目指す?
「そうですね。この武道館大会で上谷沙弥に勝利して、林下詩美の勢い、存在はますます大きくなりました。これからもスターダムのトップを走り続けたいと思います。ありがとうございました」
上谷のコメント
「赤いベルトの挑戦、未来のスターダムからスターダムになるって言っておきながら、スターダムになることができませんでした。でも、こうやってベルト戦で赤いベルト戦を闘い抜けたことはホントに自分のなかで糧にできると思います。これからもっと自分の武器を磨いていって、未来のスターダムからスターダムになれるようにもっともっと努力していきたいと思います」
――タイトル戦で闘った詩美の強さは?
「自分は、いま自分が持っている技とかすべての力を出し切ったつもりだったんですけど、すべて受けきってもらったうえで、すべて跳ね返されてしまって。まだまだ及ばなかったんですけど、自分はまだまだ負けてないと思います」
――武道館のリングは?
「スターダムでこんなに大きな、お客さんがいっぱい入ったなかでできて、ホントにお客さんの声援がすごく力になりました」
――プレッシャーもあったと思うが?
「やっぱり赤いベルトに挑戦するって言ってから、批判の声がホントに99%ぐらいで…。ホントに押しつぶされそうになったんですけど、自分を信じて、自分を応援してくれる人を信じて、ここまでやり切れたのはホントに良かったと思います」
――いまの自分を出し切れた?
「はい。でもまだまだもっともっと成長できると思うので。もっとレベルアップしていきたいです。ありがとうございました」
◆ワンダー・オブ・スターダム選手権試合~敗者髪切りマッチ~ 時間無制限1本勝負 |
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<挑戦者> |
18分57秒 |
<王者> |
中野たむ |
ジュリア |
※第14代王者のジュリアが7度目の防衛に失敗。中野たむが第15代王者となる
初の武道館大会でメインに選ばれたのは、赤いベルト戦ではなく、ジュリアvs中野たむの白いベルト戦である。しかも今回は、スターダム初の試みとなる、敗れた方が髪の毛を失う時間無制限の「敗者髪切りマッチ」に。過去、両者はシングルマッチで3度対戦し、ジュリアの2勝1敗。ジュリアの2勝はともに白いベルト戦で、1敗は5★STAR GP公式戦だった。昨年10・3橫浜武道館で両者の闘いには一応のピリオドが打たれたが、中野の強い要望により髪をかけることで5ヵ月ぶりのシングルマッチが決定、その後ジュリアのアピールからワンダー・オブ・スターダム王座戦になることが認められた。ジュリアはここまで、中野、ひめか、小波、朱里、刀羅ナツコ、スターライト・キッドに防衛。直近のキッド戦では試合後に相手のマスクを剥ぎ、髪切りマッチの見せしめとも言える風景を現出させている。泣いても笑ってもどちらかが丸坊主となる完全決着戦。その結末は…?
試合前、ジュリアが髪をつかむと中野もつかみ返す。ゴングが鳴ると、探り合いから中野がヘッドロック。ジュリアが離れ張り手を放つ。中野が向かっていくがジュリアが張り手からバックを取る。中野が取り返し、ヘッドロック。グラウンドに持っていくとジュリアがヘッドシザーズ。中野が抜け出し髪をつかんで張り手。ジュリアが向かっていくと中野がかわしてスタナーの構え。ジュリアがこらえて首を取る。中野が前に投げるとサッカーボールキック、中野の蹴りをジュリアがかわすがジュリアもかわされる。中野がスリーパーにとらえヘッドロック。ジュリアがバックドロップも中野が上になる。ジュリアがエルボー、中野も応戦。エルボーの打ち合いから中野が連打しローリングエルボー。ジュリアはリング下にエスケープし間合いを取る。ジュリアが戻るとグロリアス狙い。中野が切り返すとジュリアがバックドロップ。ジュリアはエプロンの中野の頭を蹴飛ばしていく。ジュリアが張り手からエプロンでのバックドロップを狙う。中野がこらえるとジュリアが二段蹴りからエプロン越しにネックブリーカー。ジュリアは場外フェンスに中野を固定しチンロック。ジュリアは中野をフェンスに叩きつけるとビッグブーツ、もう一度フェンスに叩きつける。机を持ち出すと、中野を連行し机上でパイルドライバー。机は真っ二つに。17カウントで中野が生還もジュリアが攻める。ジュリアはコーナーへ。中野が追いつきコーナー上でエルボー、ジュリアは張り手から首を掴んで宙吊りに。中野を落とすとジュリアがミサイルキック。しかし中野がかわしてニーアタック。ジュリアが掴んでフィニッシュ狙いのグロリアスの構えも中野がリバースDDT。両者ダウン。9カウントでジュリアがレフェリーを払いのける。ジュリアは「しっかりしろ」と中野にまたがり左右の張り手。10分経過。ジュリアが突進も中野がスピンキック、場外へプランチャで舞う。リングに戻すと中野がタイガースープレックス。ジュリアが返すと、中野が変型タイガー狙い。ジュリアがこらえてロープへ。中野が中央に戻して担ぎ上げるとグロリアスドライバー。しかし本家のジュリアがクリアー成功。中野は頭を抱える。中野がジュリアを引き起こし顔面蹴り乱打。ジュリアが張り手からバックドロップ。ジュリアが絶叫し、中野を引き起こすとヘッドバット、グロリアスドライバーをシットダウンで決める。しかし中野が返してみせる。15分経過。両者ダウン。髪をつかんで起き上がり張り手の打ち合い。立ち上がっても張り手を打ち合う。ジュリアが崩れるも、起き上がって張り返す。中野が左右の連打を繰り返す。ジュリアは後ろで手を組んで受けて立つ。なおも張り手の打ち合い。こんどは中野が受けて立つ。中野が崩れ落ちる。両者崩れ落ちると、中野がスピンキック炸裂。ジュリアが受けて立つような形でもう一発食らう。ジュリアが手を出すと中野が止めてこれ以上ない垂直落下で叩きつける。バックを取ると変型のタイガースープレックスとなるトワイライトドリーム。3カウントが入り、中野が勝利、ジュリアがベルトと髪の毛を失うこととなった。ベルトが中野に授与されている間、ジュリアは大の字。中野がマイクを握る。
中野「ジュリア、ジュリア、ジュリア…私はやっとアンタに勝てた。もう、これ以上いらない…十分。だから髪なんて切らなくていい」ジュリア「私は今日、すべてを懸けてオマエと闘ったつもりだよ? 私は、髪の毛も、ベルトも、人生も懸けて! アンタと闘って!! アンタが勝ったんだよー!!! 違うか?」
中野「違わない! 私も、アンタが全部懸けてくれたから、私も全部懸けて闘った!」
ジュリア「ああ。じゃあ、恥かかせるなよ」
ジュリアがリング中央のイスに座るとバリカンを中野に渡す。しかし中野はバリカンを入れられず涙で顔がクシャクシャに。
ジュリア「なんでオマエが泣いてるんだよ?」
中野は切ることができずにバリカンを手離す。ジュリアは美容師に「カッコよくやって」と言い潔く髪を切られる。
中野「ズルいよ。お洒落じゃん」
ジュリア「オマエもやれよ」
中野「私が勝ったんで。アンタさ…」
ジュリア「オマエがやったら宇宙一ブサイクになっちゃうもんな」
中野「本当、そういうところムカつくよねー。でもさ、こんなこと本当は絶対言いたいくないんだけど、私はジュリア、アンタがいたから強くなれた。ありがとう」
ジュリア「うるせえ! その白いベルトの価値は私があげてやる予定だったけど、オマエならやれんじゃねーの?」
中野「私はこの白いベルトの聖なる王者として記録にも記憶にも名前を刻んでいく。このベルトの価値、上げとくからさ。アンタ、早く髪伸ばして逆襲しに来いよ。みなさん、今日はスターダム10周年記念大会にご来場いただき本当にありがとうございました。これからスターダムは11周年目に突入します。私たちスターダムを、女子プロレスを、信じて付いて来てください。いまを信じて、明日に輝け、We are STARDOM! ありがとうございました!」
ジュリアのコメント
「中野たむと同じこの時代にプロレスラーとして、同じ時代に出会えたことが、史上最高に、さいっこうにいま気分がいい。負けるつもりなかったからちょっとこんなに切って、なにをしゃべればいいかわからないんだけど、負けるつもりなかったから、いま、こっち(左耳)は鼓膜が破れて、奥歯がかけて、アゴがズレて、脳みそがグルグルしてて、ちょっと…。負けたけど、アイツは私のやりたかったことをやれると思うから、まあ頑張ればいいんじゃない? 髪はまた生えてくるし、ベルトはまた奪いにいけばいいだけ」
――いままでやってきた中野たむと違いはあった?
「変わんねえよ。中野たむは、中野たむであって」
――ベルトが移動したことでいままでのジュリアとたむの立場が入れ替わるが?
「まあ、そっちの方が面白いんじゃないの? いつまでも自分が上から見下ろすよりも、上を見上げて、いきたいところに走っていった方が、生き甲斐になるんじゃないの?」
――これまでたむ選手に地獄から這い上がって来いと言っていたが、今回の負けで今度はジュリアが地獄から這い上がる?
「私はここから這い上がっていこうが、生き様を見せればいいんじゃないかな。生き様を見せるのがプロレスラーでしょ」
――まだ髪の毛が残っている。今週末の後楽園には丸坊主にしてくる?
「ロッシーは? ロッシー!(小川EPが来る)後楽園までに丸坊主にしなきゃいけないの?」
小川「本当は今日やった方がいいんだよね。いきなりこっち(バックステージ)に来ちゃったからね。まあ今度3月7日に後楽園があるので、そこで」
ジュリア「そこでやんの?(笑)」
小川「3月7日に後楽園大会がありますから、そこでジュリアの坊主姿を見たい人は見てください」
――そこまでに切る
小川「はい、そういうことです」
中野のコメント
「私の顔はいま宇宙一かわいいのか、ブスなのか、ちょっと不安だなって気持ちです。ブスですか? 顔面が熱くて痛くて…うーん、なんか…この世にはどうにもならないことがあって、どんなに頑張っても報われないことがあって、どんなに努力しても勝てないヤツがいて。すごい生きづらい世の中だなって思うことがあるじゃないですか? でも、私はその世界をちょっとだけ変えたくて、その少しの奇跡を起こせるのがプロレスなんだなって思ってます。それを教えてくれたのも私がこのワンダー・オブ・スターダムのチャンピオンになれた、ここまで強くなれたのも…ジュリアのおかげ…だって言いたくないけど、きょうはありがとうって言いたいです。これから聖なる白いベルトのチャンピオンとして、記録にも記憶にも中野たむっていう選手の名前を刻んでいきます。どうか皆さん、信じてついてきてください。ありがとうございました」
――ジュリアを追いかけていたが、今後は立場が逆転する?
「だって私がチャンピオンだもん! でも、明日にでもすぐまたやり合いたい」
――またやり合うときに条件を出されたら?「髪を懸けろって? お金とか?」
――お金を懸けたら前代未聞だが?
「面白そうかも」
――どれぐらい懸けられる?
「いやいやいや、私、(お金のマークを作って)持ってますよ。フフフ、うそうそ」
――武道館でメインを飾り、勝利したが?
「武道館というのは私がアイドル時代に絶対に無理だってあきらめた夢の一つで、そこに立てるってこと自体、実感がなかったんですけど、夢を…取り戻すのはいつからだって遅くないんだなって思いました(涙)」