ワールド・オブ・スターダム王者の鈴季すずが、死闘を制して赤いベルトを守り抜いた。挑戦者スターライト・キッドの右脚攻めに苦しみながらも、最後は執念のジャーマン3連発。3度目の防衛に成功した。
序盤は王者の猛攻が際立った。いきなりエプロンでパワーボムをさく裂させると、場外戦でも主導権を握った。余裕の表情で口に含んだ水を噴きかけ、さらにキッドのお株を奪う、その場跳びムーンサルト。肉体だけでなく、精神面まで揺さぶった。
だが、キッドも黙ってはいない。ケブラーダで流れを変えると、ニークラッシャーから、お返しのその場跳びムーンサルト。王者の右脚に狙いを定め、集中砲火を浴びせた。
ロープ越しのドラゴンスクリューを食らった鈴季は、右脚を押さえて悶絶。踏ん張りが利かなくなったところへ、キッドがキッチャーマン、不知火で追い打ちをかけた。さらにストレッチマフラーで絞り上げ、黒虎天罰まで決めた。
追い込まれた鈴季だったが、続くムーンサルトを剣山で阻止。ようやくテキーラショットを決め、反撃の糸口をつかんだ。ジャーマンで投げると、モモ☆ラッチもこらえ、ライガーボムでたたみかけた。
キッドもベルトへの執念をむき出しにした。雪崩式リバースフランケンシュタイナーのエターナルフォーから、5★STAR GP決勝トーナメント準決勝で鈴季を沈めた黒虎脚殺へ。王者を再び窮地に追い込んだ。
それでも、鈴季の目は死んでいなかった。意地でロープに逃れると、ムーンサルト、タイガースープレックスホールドを浴びても、3カウントだけは許さない。スタースープレックスを阻止し、雪崩式タイガードライバーを狙ったキッドをコーナーからたたき落とした。
再び上がってきたキッドには、雪崩式ドルフィンバスターを敢行。流血で口元を赤く染めた挑戦者に、王者が襲いかかった。
最後まで勝機を探るキッドのモモ☆ラッチを耐え抜くと、鈴季がラリアートを発射。続くジャーマン2連発を返されても、クラッチを放さなかった。3発目のジャーマンスープレックスホールドで投げ切り、ついに3カウント。右脚へのダメージを抱えながら、赤いベルトへの執念で挑戦者を振り切った。
試合後、鈴季すずが次期挑戦者に舞華を指名した。しかし、そこへ5★STAR GP覇者の吏南が割って入り、王者と舞華に自身への〝挑戦権〟を争うよう要求。赤いベルトを巡る争いが、一気に動き出した。
3度目の防衛を果たした鈴季には、どうしても戦いたい相手がいた。「詩美ときて、ナツコときて、そしてキッド。あたしさ、どうしてもやりたい相手がいるんだよ、スターダムに」。名前を挙げたのは舞華だった。
自身が5★STAR GPを制した後、両国で行われたワールド王座決定戦で勝てなかった相手。「あの時の悔しさが、どうしても拭い切れねえから」と明かすと、姿を見せた舞華に「お前とはいっぱい戦ってきた。お前がどんなことを考えてるかも、大抵予想つく。これ、懸けてやろうや」とベルトを懸けた再戦を持ちかけた。
舞華も、その言葉を待っていた。4WAYで敗れ、自ら挑戦を名乗る権利はないと思っていたという。それでも「お前とは、お前がスターダムに来た時から、ずっと、ずっと、ずっと戦ってんだよ。それでも、お前とは何度だってやりたい。だから、今日、名前を出してくれて、まずはありがとう」と応じた。
もちろん、感謝だけでは終わらない。「お前のことは全部知ってるから、いつでもどこでも3カウント取って、このベルトを取れる自信はある」と言い切り、「いつする? どこでする?」と王者に迫った。
そこへ登場したのが吏南だ。「次、その赤いベルトの挑戦者は私しかいねえだろうな!」と宣言。今年の5★STAR GPを制した実績を掲げ、次の標的を赤いベルトに定めた。
ただし、鈴季と舞華の対戦を止めるつもりはない。「お前らが2人でやりたいって言うんだったら、いいよ、勝手にやれ」とした上で、「私は年内最終戦の12月29日、両国で赤いベルトに挑戦する。これは決定事項だ。だから、お前らで私への挑戦権を争え」と言い放った。
王者に対しても、自分への挑戦権を争えという大胆不敵な要求だ。鈴季は「だいたいね、こういうのは挑戦者が2人で戦って、チャンピオンに挑戦してくるの。私が今、チャンピオンなの」と指摘。「私と舞華が戦って、勝った方がお前と両国で戦うってこと?」と確認すると、吏南は「そういうこと」と即答した。
鈴季も「はちゃめちゃだよ! でも、お前、やっぱり面白いな」と、その強気な姿勢を受け止めた。舞華との王座戦を先に行い、その勝者が12・29両国大会で吏南を迎え撃つ流れを、王者自身も了承した。
まずは鈴季と舞華の再戦。そして、その先で待ち構える吏南。赤いベルトの年内最終決戦へ、3人の思惑が交錯した。

